【ヒプマイ】銃兎の妹の私が左馬刻さんを落とすことを宣言します2【碧棺左馬刻】

60話 ページ10

はじめは、日本じゃない外国の幻想的な風景。

次に日本の山や綺麗な場所の写真。

次は外国の家や道路。

そして、病院の周りと関係ないところの日本の道路。

慣れてきたら、病院の外の写真を撮ってきてくれたりした。

院内を歩いて足の筋肉をつけるのもいつも付き合ってくれた。

事故から1年半。

病院の庭に出た。

外に出たのは1年半ぶり。

でも、病院の敷地の外に出ることは出来なかった。

病院の出口に近づくにつれて、息が荒くなって目眩がして、幻覚幻聴の症状がでる。

そして、倒れた。

そして、初めに戻る。

フラッシュバックが酷くなり、また眠れなくなる

何回それを繰り返したか。

事故から6年。

やっと。やっとのことで病院から出れた。

お兄ちゃんにおんぶしてもらって、やっとでれた。

徐々に自分で外に出れるようにもなった。

それを1ヶ月続けて、ついに車に乗ることになった。

ずっと、お兄ちゃんと手を繋いでた。

運転手さんはゆっくりゆっくり運転してくれた。

あえて、あの日通った道は通らずに。

そして、3歳のときぶりに家に帰った。

正直、記憶なんてなかったから懐かしくはなかったけど、私の家ってここなんだって思った。

しばらくは、学校には行かず家で家庭教師さんに教えて貰っていた。

1人で外に出ることは出来ず、お兄ちゃんが帰ってきてから買い物に行ったりした。

家に帰ってきて1年。

ようやく、1人でも外を歩けるようになったので中学に行くことになった。

緊張していたが、担任の先生の気遣いなどもあり友達はできた。

勉強も申し分なかった。

でも、スポーツがてんでダメだった。

今まで動いてこなかったし、体力もなくて過呼吸になると大変なのですぐに、休憩していた。

それを、心配してくれる子もいればサボっていると思う子もいた。

徐々に、嫌がらせをされるようになった。

友達だった子も漫画で見るみたいにふざけ合う仲になる前に離れていった。

でも、正直そうなるだろうと思っていたし、お兄ちゃんにも覚悟するように言われていた。

でも、ある日「死ね」と言われた。

思った

『死』ってそんなに単純なものだっけ？

その瞬間に、「あ、私この人たちとは分かり合えないわ」って思った。

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