三話 ページ5
「おい、楓！
あいつ前に倒した奴だろ、なんで生き返ってんだよ！」
苛立ちを含んだ声で朔夜は百足上臈を指さし、叫んだ。
だが、全員何故いきなりコイツが現れたのか分からない状態なのだ。
「よこせ、四魂の玉ァァァ！」
アレの狙いは――――かごめだ。
彼女が四魂の玉を持っているのか、とかそんな疑問が浮かんだが朔夜はその前に体か動き、その蹴りで百足上臈の身体を穿った。
その隙にかごめは犬夜叉の森へ駆け出した。
百足上臈も再生し、かごめを追い掛ける。
その後を、朔夜が追い掛ける。
何処かで、どくんと何か脈打った。
────
百足上臈は自分達よりも早くそこに居た。
そして、有り得ないものを見た。
「一発で片付けろよ、桔梗。
俺を殺った時みてぇによ。」
封印されていた犬夜叉が、目を覚ました。
―――あれ？永遠に目覚めないんじゃねえの？
朔夜は目の前の光景が信じられず、思わず頬を抓った
が、感動(？)の目覚めに浸っている場合では無い。
百足上臈が上から来る。
アイツの狙いがかごめである事は、分かっていた。
上半身が降りてきたのを狙い目に朔夜は片方の手を三つ抑え、その隙に村人達がそこに矢を突き刺し、引っ張った。
安堵のため息を着くと、幼い頃からの腐れ縁はようやく彼女に気付いた。
「この野郎何で起きたんだよ起きてたんなら言えよ！」
「お前なんも変わんねぇな、あとさっき起きたんだよこっちは！！」
言い合いをする二人を交互に見つめたかごめ。
だが、その僅かな平和はもう終わった。
村人が木の蔦に数人ぶつかる。
あっ、と声を上げるまに百足上臈はその五本残った手でかごめを掴む。
思わずかごめは犬夜叉のもみあげを掴んだ。
そしてこの状況下でこの騒がしさだ。
(…コイツ性格が桔梗と真反対な気がする。)
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：彼岸桜藍@病み上がり | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/novel/5258936042/
作成日時：2018年11月29日 0時
