【御幸】初恋 first episode＊.*・。

夏の終わり ページ32

「あﾞあーーーーー！近いからお前ら！！
　こら鳴！！！Aにさわるな！！」
御幸はAを鳴からガードするように肩を抱き、反対の手で、シッシッと追い払う。

「なんだよ！久しぶりの再会を喜んでるのに邪魔するなよ！」

「え、稲実の成宮鳴だろ？南ちゃんも友達なの？」倉持がAに聞いた。

「うん。鳴とは中学の時から友達だよ！シニアの試合もよく応援行ってたし」

「そうそう。だから邪魔するなよ、一也」
鳴が御幸からAを奪おうと腕を掴んだ。

「あﾞあー！もうだから！触るなって！！」

「え、、まさか……はっ？！お前ら付き合ってんの？俺の許可なく？！」
鳴が御幸とAの顔を交互に見る。

「まだ付き合ってない。が！！その予定だ」

「はっ？？？？なにそれ。意味分かんない」

「分からなくていいんだよ！じゃあな！」
と、Aの肩を抱いたまま、隠すようにして離れようとする。

「ちょっと！御幸！！せっかく会ったのにーもう少し鳴と話したいよ！」
倉持と真希も、いいの？って顔だ。

「いいんだよ！鳴も友達と来てるんだし。
　だいたいあいつは昔からAにベタベタするから油断も隙もない！
　Aもちょっとは警戒しろよ！


　…………だいたいなんで俺は御幸なのに、あいつは鳴なんだよ……差別だろ……」
最後の方は独り言のようにぶつぶつ言っている。


「御幸……つまりはやきもちなんだな？」
かわいいやつ！っと倉持はヒャハハハハハと爆笑した。


予想外の鳴との遭遇もあったが、たっぷり海を満喫した。
ビーチバレーは鳴と、カルロスら稲実のメンバーと一緒にすることになり、かなり白熱した試合になった。

海の家でかき氷の早食いをしたり、一日中ヘトヘトになるまで遊んだ。



楽しかった夏も終わり、季節は秋になる。

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