03.本丸刀剣一揆 ページ3
新しい本丸へと案内役のこんのすけと共に歩く。
周辺の万屋街は一見活気に溢れているように見えて、所々にいる刀剣男士と審神者以外は全部が作り物だ。
この街は情報により創り出された虚構世界であり、歴史を監視、管理する現世とは離れた別時空間。
私たち審神者に与えられた大きな職場だった。
隣を歩く管狐もまた、動く人工知能を持ったAI。ちなみに好物は油揚げ。
「本当に荷物はそれだけで良かったのですか?前の本丸にはたくさんの物が飾られておりましたが……」
こんのすけが、私の運ぶスーツケースを見ながら問いかけてきた。
人工知能にも気遣う心のある世界。
「うん。いいの。仕事をするのに必要ないから」
対して人間の私は心ない言葉を返す。
こんのすけは「そうですか」と、耳と尻尾を下げて前を向いた。
いくつかの家々を超えながら、資料で見た本丸の姿を思い出す。
片側が木々に覆われ、片側は海に沿うように高い崖となっていた。
その雰囲気はまるで――原城
島原、
いや。あながち、間違っていないのかもしれない。
潜伏しているのは切支丹ではないし、弾圧するために行くわけじゃないけれど。
お偉方に命令されて行くのには変わりない。
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黒羽ひみと(プロフ) - 黒無さん» お褒めの言葉ありがとうございます!更新は今しばらくお待ちくださいませ! (2020年9月26日 14時) (レス) id: 451dd01b35 (このIDを非表示/違反報告)
黒羽ひみと(プロフ) - waterさん» ありがとうございます。更新止まってしまいすみません!時間ができ次第再開します。 (2020年9月26日 14時) (レス) id: 451dd01b35 (このIDを非表示/違反報告)
黒無(プロフ) - 素敵な作品ありがとうございます!更新待ってます!! (2020年9月24日 12時) (レス) id: 2b98e9a281 (このIDを非表示/違反報告)
water(プロフ) - 面白い。いい作品に会えて良かったです。更新待ってます。 (2020年9月24日 12時) (レス) id: e941bacba9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:黒羽ひみと | 作成日時:2020年8月23日 12時