02.企業の顔はホワイト ページ2
「はい?」
一瞬何を言われたのか理解できず、お役人を睨み付けた。
どう見ても前任審神者が亡くなっただけでは片付かない。最近噂に聞くブラック本丸、そう言われた方が納得がいく。
いや、敢えてその言葉を出さないのかもしれない。
自分たちの見込んだ審神者がブラック本丸を作り上げたなど、企業としては大恥だ。
お役人は相変わらず透かした無表情で、説明を続行する。
「あなたを信頼しての責務です。勿論、収入も弾みます。引き受けていただけますよね?」
「断る権限があるんですか」
「ええ勿論。うちの企業の心得はホワイトです。『誰もが笑顔で暮らせる"歴史を守ること"』。それが我々の仕事。仕事とは、失敗して責任を感じてから自覚するものです」
お役人は心ない目をこちらに向けて言い放った。
身体のあちこちに残る火傷の傷が痛む。じくじくとその痛みは心臓にまで侵食していった。
冷房の効きすぎた冷たい部屋、さらに冷たい言葉が私に切りかかる。
「あなたは一度失敗した仕事の責任も負わずに、あなただけが生き残り、放棄するのですか?」
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黒羽ひみと(プロフ) - 黒無さん» お褒めの言葉ありがとうございます!更新は今しばらくお待ちくださいませ! (2020年9月26日 14時) (レス) id: 451dd01b35 (このIDを非表示/違反報告)
黒羽ひみと(プロフ) - waterさん» ありがとうございます。更新止まってしまいすみません!時間ができ次第再開します。 (2020年9月26日 14時) (レス) id: 451dd01b35 (このIDを非表示/違反報告)
黒無(プロフ) - 素敵な作品ありがとうございます!更新待ってます!! (2020年9月24日 12時) (レス) id: 2b98e9a281 (このIDを非表示/違反報告)
water(プロフ) - 面白い。いい作品に会えて良かったです。更新待ってます。 (2020年9月24日 12時) (レス) id: e941bacba9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:黒羽ひみと | 作成日時:2020年8月23日 12時