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A「不安なのっ。私、太宰さんが分からない!太宰さんは、みんなと…私と!考え方が違う!だって、あんな状況で嬉しそうにする人…いないよ?」
彼女の大きな目から綺麗な涙が溢れる
A「このままじゃ、いなくなっちゃう…きっと太宰さんは、いなくなっちゃうっ……側にいてっ、太宰さん…いなくなっちゃやだ…」
太「A…」
A「ひとりぼっちは、いやだ…」
流し始めた涙の勢いは収まることがないのだから困ったものだ
君の、想い人の涙の止め方なんて分からないよ、私
確かに、私は死にたい
だから、彼女の願いは叶えられない、かもしれない
私は唯々泣いている彼女の頭を撫でるしかなかった
A「困らせたい訳じゃないの…
縛りたい訳じゃない…太宰さんがしたいことをして欲しい気持ちはあるの…でも、今の私じゃ、太宰さんの本当にしたいことを受け入れられない」
A「だからっお願い太宰さん
私が、寂しくなくなるまで、1人でも大丈夫って思えるまで、側にいてっ。置いていかないで…独りに、しないでっ」
彼女は縋るように私のシャツを掴んだ
太「分かった。Aが寂しくなくなるまで、側にいる。独りにしない
約束する」
A「ほんとう?約束は、約束した事は、守ってくれなきゃ嫌だよ?」
太「あぁ。分かってる。だから安心して
ほら、もう泣き止んで?」
そう云うと安心したのかAは一度小さく頷いてから笑顔を浮かべた
そして、泣き疲れたのだろう。数刻すれば、彼女は寝息を立て始めた
太「側にいて…か」
微笑ましい彼女の寝顔を見ながら、何か、得体の知れない胸騒ぎに、溜息を一つ吐いた
これは、良くないものだ
私の勘は、よく、当たる_______
おまけ
Aが目覚めた後…
A「太宰さん、私のこと嫌になった?」
太「…??何故だい?どうしたの?」
A「だって、無遠慮に踏み込んだ。太宰さんの気持ちも考えずに、唯自分のためだけに…」
太「…」
A「ごめんなさい…」
太「全く、そんな事を気にしていたのかい?
怒る訳ないだろう」
A「ほんと?」
太「ほんと。だからAは気にせずいつも通りニコニコ笑っていれば良いのだよ」
A「…っうん!」
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作者名:紫乃 | 作成日時:2023年1月30日 17時