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それからヒバリさんはことある毎に僕にお菓子を渡してくるようになった。最初は警戒していたけど、その度に戦いを挑まれれば、警戒心も解れてくる。
1週間に一度、不定期に行われるそれはもはや習慣化していて、お菓子も食べれて遊べる一石二鳥のイベントとなっていた。


今週もそろそろだろうと浮き足立つような気持ちで、応接室に報告しに向かう。今まで食べたおやつの中で好物になったナミモリーヌのケーキがいいな、なんて思いながらノックをした。

入室と同時に投げられていた鉛筆はいつしか飛ばなくなって、ヒバリさんは顔を上げて僕を見るだけだ。それから草壁さんに目を向けたヒバリさん。
それでピンときて、ソファーに座る。僕の報告用に用意されていた報告書に文字を連ねながら、草壁さんにお礼を言ってマグカップを受け取った。


報告書を書き終えた頃を見計らって置かれたチョコケーキにナミモリーヌのだと目を輝かせる。いつもなら既に向かいのソファーに腰を下ろしているヒバリさんは奥の椅子に座ったままで、その机の上を見て納得した。
決算月でもないのに書類が大量に置かれているのだ。僕の視線に気付いたのか、ヒバリさんは口を開いた。


「見ての通り、仕事がたまっていてね。悪いけど、今日はなしで」


顔も上げず書類を処理し続けるヒバリさんは、本当に忙しいんだろう。手伝うべきか迷いつつもこくんと頷いて、フォークを手に取る。

本来ならゆっくり味わうケーキをぺろりと食べ終えて、ぬるくなったコーヒーを飲み干した。視線を彷徨わせて口を開こうとしたけど、結局思い留まる。どことなく居心地の悪さを感じ取って、足早に応接室を後にした。


遊ぶわけでもないのにただ差し出されたケーキは重たく胃に伸し掛かる。それを食後の運動がないせいだと決めつけて、また見回りを再開させた。

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(プロフ) - 茨の谷の第2王子(ヲタク)←王子がそれでいいのかさん» リボーンいいですよね……読んでくださってありがとうございます! (2022年10月14日 0時) (レス) id: 37b3e8feed (このIDを非表示/違反報告)
茨の谷の第2王子(ヲタク)←王子がそれでいいのか - リボーンしゅき (2022年10月8日 0時) (レス) id: 304b99e4d1 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - リィさん» ありがとうございます!信者くんがまたトリップしたら面白いだろうなと思って書き始めたものですが、そう言っていただけると励みになります。これからもよろしくお願いします! (2022年10月1日 3時) (レス) id: 37b3e8feed (このIDを非表示/違反報告)
リィ(プロフ) - DBDもリボーンも知らないのに見始めました。ツイステのDBD見てて面白いなぁって思ってみ続けてます。更新頑張ってください! (2022年9月30日 17時) (レス) id: 1730b53d16 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2022年9月25日 1時

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