【REBORN!】エンティティさまが僕を消すまで -1-【DBD】

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次の週も、そのまた次の週も、差し出されたおやつを食べるだけ。忙しそうには見えないヒバリさんは僕の向かい側に座って何も言わない。

さすがに気味が悪くなって報告書だけ書いて応接室を出ようとしたこともあったけど、ヒバリさんに引き止められたり、草壁さんが既に準備し終わっていたりと失敗に終わったことから、若干諦めていた。そうやって何度も繰り返していれば、慣れるというもの。


「逃げなくなったね」


呟くような小さな声に顔を上げた。真意を読み取ろうと色素の薄い瞳を探る。まるで警戒心の強い野良猫に向ける言葉のように思えて、ここ1ヶ月の僕を思い浮かべた。

義務的に学校と家を往復していただけで、特別なことはしていないけど。そんなふうに受け取られていたのかもしれないね。
この世界で友人と呼べる存在もいなければ、親しい大人もいない僕にとっての普通を過ごしていたつもりなんだけど。


「まぁ、いいよ。……それで、きちんと食事はとっているの」

「……食事、」

「その様子を見る限り、とっていないみたいだね」


唐突にされた質問に、そういえばおやつ以外で固形物を食べた記憶がないなと気付いた。食べなくても違和感がなかったから。食べる必要がない体だから。すっかり忘れていた。
だって、お腹が空いたと駄々をこねる子がいないんだもん。一緒に食べようと笑ってくれる人がいないんだもん。

強い視線から逃れるように目を彷徨わせて、結局机に焦点を合わせる。というか、なんで分かったんだろう？食べなくても僕の体重はあまり変化しない。エンティティさまのおかげで、体調に支障をきたすこともない。目に見える変化はないはずなんだけどなぁ。

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