色 ページ5
「人思いなやつ。」
「危なっかしい。」
「時々子供っぽい仕草をするけどちゃんと社会人としてやってけるんだから偉い。」
「ほっとけない。」
「昔からよく遊んでた。」
「凛月に感化されたところもある。」
などなど、明星さん達から聞けたことによると、私のことをよく話してた割には女の子らしい単語は出てこなかった。ほんとに私のことを好きじゃなかったんだね。自惚れてたわけじゃないけど。ちょっとくらいキュンって、キュンってくらいしてたかもって思ってたのに。
これじゃまるで同性の友達紹介みたいじゃないか。
少しくらいいい話が聞けるかと思ったのに、聞けたのは真緒が印象に残っている私のエピソードだけ。
「昔から怖がりで特に冬はよく泣いて俺のとこに来てた。」
「バレンタインの日は毎年チョコをくれた、ホワイトデーにお返しをあげたら毎年随分喜んでくれて作りがいがあった。」
「ライブは毎回来てくれた。」
これじゃ好きなのがバレバレだ。あの鈍感頭。世話焼き大好き変態男。脳内一生男子高校生のまんまのくせに!
全部自分の仲間に話したわけだね。成程ね。
「いや〜、最初に聞いた時はサリーが鈍感過ぎてびっくりしたよ。」
「明星がわかるんだ、どうしてこうもAさんの意図を読み取れなかったんだろうな。」
「Aさんの気持ち、僕もわかるよ。衣更くんはかっこいいよね、だからこそじれったくもあったのかな。」
どうしてどうして真緒は本当に、私の気持ちに気づかなかったんだ。ずっと思い続けていた私が馬鹿みたいだ。
今も尚、好きだっていうのに。
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作者名:紫乃月 | 作成日時:2020年1月20日 0時