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「あー、また失敗した〜!」

真緒が夢ノ咲学院に入ってからも私はよく一緒にいた。部外者なのに、お前なら特別な、とよくチケットを貰っていたこともあって、私は色々と勘違いしていたかもしれない。

ホワイトデーの時期にクッキーが上手く焼けないと声を上げていたこともよく覚えている。

こんなに一所懸命にお菓子作りに励む真緒が可笑しくて、凛月と2人で見守っていたっけ。

「まーくんの愛情が詰まってるんだからもういいじゃーん。」

勝手に失敗作をつまんで凛月が言う。

「こら、凛月。こんなに焦げてるの体に悪いだろ?せっかくだし美味しいやつを作りたいんだよ。みんな、世話になってるからな。」

みんな、それは一体、誰を含めた、どの人たちを指したのかな。そこに実は私が入ってなかったりしたのかな。

真緒のクッキーは、確かに美味しかった。

の→←幸



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作者名:紫乃月 | 作成日時:2020年1月20日 0時

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