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「じゃあ、その手に持っている赤いヤツは何?
あ、待って、答えを言わないで!!俺が当てるまで待ってて……」
ぐぬぬ、とうなるレオ君の隣に座る。
流石屋上だ、これで二年連続実がなった。
虫や病気対策も徹底しているため、小ぶりだが美味しそう____。
「その形、まさかイチゴか!?いや、それだと面白くない。
食べると幸運が訪れる、ラッキーアイテムか?」
「イチゴで合ってるよ。しかも幸運が訪れるイチゴ」
「おおお、これは大発見だな!ナギ、これをはやく隠すんだ!!
もしかしたら、これを狙った宇宙人が侵略してくるかも……いやそうであってくれ!」
「じゃあ侵略してくるまえに隠しちゃおう。はい、レオ君の分」
僕は彼に一つ渡す。
「胃袋に隠せばバレないよ」と言うと、「なるほど!」と納得してくれた。
僕も彼に続いて食べる。
「うわあ、酸っぱ!!!なんだこれッ!?」
「まぁ元々、そのまま食べるものじゃないから」
「それを俺に渡したのか!?ナギ、お前酷いぞ!!」
グルルルル、と喉を鳴らし、僕から距離をとるレオ君。
彼に軽く謝る。
でないと今後の生活に支障が出そうだ。
「ごめんって。これ、ちょっとしたジンクスがあってね。
安定して育てられると、幸運が訪れる____。
だから実を食べてもらって、レオ君に幸運をおすそ分けしたかっただけだよ」
「そうなのか!わはは、わはははは!!やっぱりお前は良い奴だな☆」
「ふふ、ありがとう」
*
一限目終了の合図が鳴る。
と同時に、僕は屋上を後にした。
レオ君は
3-Aの教室に入る。
と、数人のクラスメイトと目が合った。
「A!!今日も遅刻とは、この守沢千秋が許さんぞ……☆」
不運なことに、この男とも。
守沢千秋、3-Aの熱血漢。
僕はうるさいのが苦手なので、必然的にこの男も苦手だ。
「守沢、お前も分かってきたようだな。そうだ、規則を破る者には説教が必要だ」
また面倒な奴が出てきた。
蓮見敬人、生徒会副会長。
とにかく説教が長いのと、地獄耳と、眼鏡が特徴。
「柳葉、眼鏡を侮辱するな」
「いやまだ何も言ってないけど。まさか心の声まで聴こえるようになったの?」
「お前はいつも俺の眼鏡を馬鹿にするからな。
それと、その言い様では口には出さずとも心の中で思っていたのだな?」
「そうだよ」
「……どうやら長い長い説教が必要のようだな」
____なぜ説教……。
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墨大蛇(プロフ) - 春斗さん» はい、ありがとうございます! (2016年3月7日 23時) (レス) id: 4010cde58c (このIDを非表示/違反報告)
春斗 - 更新頑張ってくださいね! (2016年3月7日 23時) (レス) id: c4a09d2157 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:墨大蛇 | 作成日時:2016年3月7日 23時