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「主を殺すつもりか?人間めが」
その男は真っ白な姿をしていた。角が生えた男。その男は聖騎士達を見ながら、両手に炎の玉を出現させた。聖騎士達は剣を構え、そして男に飛びかかる。
ゲーナは彼らの戦いを隠れながら眺める。恐らく呪術師であろうその男は炎の呪術を武器としているらしい。しかし聖騎士達の背後にいる魔法使いが結界をはり、呪術を跳ね返す。呪術師はあっさりと首を切り落とされた。
「誰も死んでねぇのかよ……ん?」
地面に倒れた呪術師の身体がびくびくと震える。そして次の瞬間に大きく膨れ上がり、そして破裂した。
凄まじい絶叫をあげながらその生き物は立ち上がる。山羊のような、鶏のような、おぞましい形状をした獣のようなそれ。かつて人間だったとは思えないそれは、大きく叫びながら聖騎士に襲いかかる。
咄嗟に避けた聖騎士であったが、獣は追撃する。聖騎士は剣で腕を斬り、怯む隙に別の聖騎士が脚を斬る。
獣はやがて倒れ落ちる。そしてさらさらと灰となって消え去った。
聖騎士達は死傷者はいないらしい。そのまま悪魔討伐へ向かうのか、軽い手当てを済ませて進行を再開した。
「……あいつら、なかなかやるみてぇだな」
ゲーナは呟いて、彼らを追う。
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