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聖騎士達はやがて廃村にたどり着いた。近くには大きな谷のようなものも見える。その谷の上空には、非常に長い髪の人影が浮かんでいた。
と、その人影に棒のようなものが突き刺さる。同行していた魔法使いが魔法で攻撃したらしい。人影は谷底へ沈んでいく。
聖騎士達は谷底へ降りていく。ゲーナは隠れながらそれについていく。そっと谷を覗き込むと、谷底では聖騎士達が触手のような化け物と戦っていた。後方では魔法使い達がゴーレムなどを使役して支援している。先程の人影らしきものも見えた。髪だと思っていたものは触手の化け物と繋がっていた。
前方の聖騎士達の数名が倒れたが、それでも聖騎士達が優勢だった。触手の化け物はおぞましい絶叫をあげて、そして次の瞬間、触手に繋がっていた人影が飛び上がる。髪のような触手を翼のように羽ばたかせて、飛び上がってくる。
「うぐおっ?!」
谷底から飛び上がってきた人影はゲーナに襲いかかる。咄嗟に剣で斬りつけ、かわす。しかしその怪物は鋭い爪で更に攻撃をする。
「くそっ!なんでこっちに来たんだよ?!」
聖騎士や魔法使いはまだ谷底にいる。魔法使いが浮遊の魔法で杖を怪物に突き刺す。翼のような触手ごと身体を貫通し、怪物はぎぃぎぃと悲鳴をあげながら再び谷底へ落ちていった。
ゲーナは再び恐る恐る谷底を覗き込む。怪物は谷底へ叩きつけられたせいか、ぴくぴくと痙攣しているように見える。そしてさらさらと、灰のようになって消えた。
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