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「話が逸れたわね、ごめんなさい。続きを話しましょう」
いつもの雰囲気に戻った。
「私と零は無理強いをするつもりはないわ。決めるのはあなたたちなのだから」
Trickstarは顔を見合わせ、頷き合った。
「朔間先輩、朝霧先輩、恥を忍んで頼みたい。俺たちに、力を貸してくれないか?」
北斗が2人をまっすぐと見つめて頼み込む。
「生徒会と拮抗(きっこう)しうる実力者、『三奇人』...そして、『プロデューサー』であるあなたたちの助力が得られれば心強い。
ちょうど、俺たちは指導者を求めていたんだ」
北斗は穏やかに、けれど決然と言葉を尽くす。
「できれば、争いたくはない。俺たちの敵は、生徒会だ。
もてる力を結集し、協力者を増やして、全てをかけて抗いたい」
殊勝(しゅしょう)に、北斗は訴える。
「無論、虫のいい話だというのはわかっているが」
「確かに、虫がいい。おぬしらの都合でしかない、我輩らに得はないのうのう。だいたい『三奇人』ならおぬしも見知っているはずの____
日々樹(ひびき)くんに、助力を請えばよかろう?」
日々樹...はじめて出てきた名前である。
「あの変態は駄目だ、言葉が通じん」
北斗が苦虫を噛み潰したような顔になった。
「何より、日々樹先輩は今のところ生徒会を贔屓している。所属する『ユニット』も、生徒会の最大戦力たる『fine(フィーネ)』だ」
『fine』というユニット名を聞いたAは一瞬顔を歪めた。
「ふむ、ゆえに我輩か......。理屈じゃのう、小賢しいともいえる」
「でも、判断は正しいわ。もう1人の『三奇人』である奏汰(かなた)くんは、渉(わたる)くんより言葉が通じないもの」
「深海くんはもはや、宇宙人じゃからの」
『朔間零』『日々樹渉』『深海奏汰』という名前の人物が____『三奇人』と呼ばれている。
夢ノ咲学院における、重要人物である。
「我輩とて、生徒会の暴虐には腹を据えかねておるよ。とはいえ...まがりなりにも現在の夢ノ咲学院では、生徒会こそが秩序じゃ」
重要人物であるからこそ、迂闊には動けない。
簡単に力を貸すこともできない。
歴史を、運命を変える、ねじ曲げる立場だからこそ。
『三奇人』は取り扱い注意の難物なのだろう。
しかしそれは、用法を過(あやま)たなければ協力な武器になる。
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、 - この作品の続編ですが、最新作はオリジナルフラグが外れておりません。違反行為ですのでちゃんと外して下さいね (2018年8月9日 18時) (レス) id: 93bb7a0f46 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:白銀桜夢 | 作成日時:2017年10月29日 17時