検索窓
今日:7 hit、昨日:2 hit、合計:31,314 hit

phrase31 ページ33

「話が逸れたわね、ごめんなさい。続きを話しましょう」


 いつもの雰囲気に戻った。


「私と零は無理強いをするつもりはないわ。決めるのはあなたたちなのだから」


 Trickstarは顔を見合わせ、頷き合った。


「朔間先輩、朝霧先輩、恥を忍んで頼みたい。俺たちに、力を貸してくれないか?」


 北斗が2人をまっすぐと見つめて頼み込む。


「生徒会と拮抗(きっこう)しうる実力者、『三奇人』...そして、『プロデューサー』であるあなたたちの助力が得られれば心強い。

 ちょうど、俺たちは指導者を求めていたんだ」


 北斗は穏やかに、けれど決然と言葉を尽くす。


「できれば、争いたくはない。俺たちの敵は、生徒会だ。

 もてる力を結集し、協力者を増やして、全てをかけて抗いたい」


 殊勝(しゅしょう)に、北斗は訴える。


「無論、虫のいい話だというのはわかっているが」

「確かに、虫がいい。おぬしらの都合でしかない、我輩らに得はないのうのう。だいたい『三奇人』ならおぬしも見知っているはずの____

日々樹(ひびき)くんに、助力を請えばよかろう?」


 日々樹...はじめて出てきた名前である。


「あの変態は駄目だ、言葉が通じん」


 北斗が苦虫を噛み潰したような顔になった。


「何より、日々樹先輩は今のところ生徒会を贔屓している。所属する『ユニット』も、生徒会の最大戦力たる『fine(フィーネ)』だ」


 『fine』というユニット名を聞いたAは一瞬顔を歪めた。


「ふむ、ゆえに我輩か......。理屈じゃのう、小賢しいともいえる」

「でも、判断は正しいわ。もう1人の『三奇人』である奏汰(かなた)くんは、渉(わたる)くんより言葉が通じないもの」

「深海くんはもはや、宇宙人じゃからの」


 『朔間零』『日々樹渉』『深海奏汰』という名前の人物が____『三奇人』と呼ばれている。

 夢ノ咲学院における、重要人物である。


「我輩とて、生徒会の暴虐には腹を据えかねておるよ。とはいえ...まがりなりにも現在の夢ノ咲学院では、生徒会こそが秩序じゃ」


 重要人物であるからこそ、迂闊には動けない。

 簡単に力を貸すこともできない。

 歴史を、運命を変える、ねじ曲げる立場だからこそ。


 『三奇人』は取り扱い注意の難物なのだろう。

 しかしそれは、用法を過(あやま)たなければ協力な武器になる。

phrase32→←phrase30



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.2/10 (16 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
22人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

- この作品の続編ですが、最新作はオリジナルフラグが外れておりません。違反行為ですのでちゃんと外して下さいね (2018年8月9日 18時) (レス) id: 93bb7a0f46 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:白銀桜夢 | 作成日時:2017年10月29日 17時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。