あんさんぶるスターズ短編集 (ページ4)

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衣更真緒猫ページ4

｢あ、猫だ。｣

昼休みの中庭＿。真緒君とお弁当を食べながら仕事を進めていたとき、猫が視界に入ってきた。

｢お、本当だ。珍しいな～？こんなとこまで動物が入ってくるなんて。｣

｢そうだね～、飼い猫かな？首輪が着けてある。…これ、名前かな？マオ、だって｣

｢ははっ、俺じゃん!｣

猫を抱き上げて撫でる真緒君は、いつもは感じない幼さがある気がする。

猫に少しだけ嫉妬する。うわ、恥ずかしい。

｢そういや、凜月が言ってたんだけどマオって中国語で猫らしいな。はは、猫同社だぞ、俺ら｣

マオ君をもふもふしながら、思いっきり可愛がっている。いいな、その場所変わってくれないかな。

｢ん？どうした、A？｣

｢えっ、あ、いや、あの…｣

無意識に、真緒君の制服の袖を握っていた。あー、やだやだ恥ずかし過ぎる…

｢ヤキモチか、A～？なんてなっ、んな訳ないかっ!｣

白い歯を見せて、年相応に笑う真緒君は眩しい。その光に目が眩んで、思わず手を伸ばしかけるけど。

私なんかが、彼に触れて良いんだろうか。いや、良いわけがない。私が触れて、彼を汚すわけには。傷付けるわけには。

だから、まあ。今はこのマオ君に焦がれて、光に焦がれていよう。

真緒君の視線には、気付かないフリをして。