10曲目 ページ11
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「Tell me,tell me,tell me,somebody tell me…♪」
どこからともなく聞こえてくる歌はとても綺麗で澄み渡っていて、どこか儚げだった。
「あらァ、今朝迷子になってた子じゃない」
「鳴上先輩はご存知なのですか？」
「偶然みかちゃんと見かけたのよォ。今日から転校してきたらしいわ」
そう言って校庭から見上げた先にいるのは確かに見たことのない人物だった。
楽しそうに歌うその姿はまるで天使、女神、いやそれよりももっと現実味のあるのに浮世離れした何者にも例え難いもので。
「アイツ何してるわけぇ？落っこちてまた迷惑掛けられちゃ困るんだけど」
「あら、泉ちゃんももう面識があるのねェ」
「昼休みに購買の場所案内させられてさぁ。お陰で時間が全くなかったんだよねぇ〜」
「瀬名、アイツは何者なんだ？」
うちのメンバーの内、ふたりももうすでに知り合ってるもんだから思わず食いついてしまった。
先程まで止まることを知らなかったペンが止まる。
ずっと聞いていたい。
「王様が興味を持つなんて珍しいね〜」
「くまくんとりあえず起きな？引きずるの疲れるんだけどぉ」
「転校生にインスピレーションでも沸いちゃったァ？」
口々に何か話してるメンバーの声なんて俺に届きはしなかった。
「What is shape the best? in my gloomy world…♪」
世界に転校生と、転校生の歌と、俺しかいないみたいだ。
俺の曲を、歌って欲しい。
無意識にそう感じた。
「なーなー、アイツ何年？何組？」
「ちょっ、引っ付かないでよねぇ！ゆ〜くんと同じクラスだったから2-Aじゃない？」
「ふ〜ん…」
サラサラと再び動き出すペン。
でも今まで書いていた曲とは全く別のもの。
「確か名前は…あぁ、不知火 Aちゃん。笑うとすっごく可愛いのよォ♪」
不知火 A。
何度も頭に反芻される名前、自然と浮かび上がるメロディー。そしてそれを歌うAの姿。
こんなにも暖かく湧き上がる気持ち、初めてだ。
俺は転校生に、Aに。
一目惚れしたのだと後々気付くことになる。
「そんなところで何してるんですか！」
「わぁ、椚先生も歌う〜？」
「馬鹿なこと言ってないで早く降りなさい！初日から事故でも起こしたらどうするんですか！」
「先生、よく怖がられてない？」
「ゔっ…いいから降りなさい！」
「転校生が椚先生をひるませたよ！あんず！」
「すごい…！」
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しずく - 続き楽しみにしてます！頑張ってください！ (2018年10月6日 21時) (
レス) id: a4e426e33d (このIDを非表示/違反報告)
Tadashi Horimoto(プロフ) - 続きが楽しみです！！更新頑張ってください！！ (2018年4月24日 23時) (レス) id: b94121db0d (このIDを非表示/違反報告)
『 』(プロフ) - 面白かったです！夢主可愛い…！更新頑張ってください！ (2017年7月27日 11時) (レス) id: 167c4770ea (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：澪@接久 | 作成日時：2017年7月23日 21時
