子狐と女の衝突。 ページ9
｢A気にすることないよ〜｣
書類を出した帰り、壁に頭をつけて怒りを抑えているAにシロはそう声をかけた。
脳内には笑顔で鬼灯に触れる梅子の姿が浮かぶ。
｢料理のレパートリー少なくて悪かったな！｣
そう叫ぶAの声にシロ達はビクリと体が跳ねた。
｢でも確かにあの子のご飯すっげー美味いよ。
俺この前貰ったけど美味すぎてびっくり……｣
シロにルリオ達は空気を読めと睨み、すぐに口を慎んだがAは更に落ち込んでいく。
料理がお菓子がとても美味いのはAも貰ったお菓子を食べたので知っている。
周りによると裁縫に炊事洗濯も得意で華道なんかも嗜んでいるそうだ。
｢でも、薬草の知識はAの方がすごいし
鬼灯様と渡り合えるのはAくらいしかいねーって｣
柿助の慰めにシロも同調し、ルリオが
｢鬼灯さんに言ったらどうだ？｣
提案すると｢それはダメ！｣とAはすぐに反対した。
｢これは女の戦いなの。絶対鬼灯様に告げ口しないで｣
そう息巻くAに通りすがった梅子は
｢廊下でブサイクな顔しない方がいいですよ｣
と一言言って去っていく。
｢小さい頃から白澤様に可愛いって言われてたもん……可愛いって……｣
再び壁に頭をつけて落ち込むAに3匹は｢まあまあ…｣と慰めた。
数日後、仕事を終えたAが鬼灯の所に行こうと裁判所に訪れると丁度梅子も来ていた。
｢鬼灯様は不在みたいですよ｣
｢そうみたいですね｣
立ち尽くして鬼灯を待つ二人の間には気まずい沈黙が流れ、Aは何か話しかけようかと考え
「料理とかお菓子のレパートリー多いってすごいで…すね…」
聞いているのかわからない梅子の反応にAの声はどんどん小さくなっていき、
梅子は大きなため息を溢した。
「結婚するならもっと本気で頑張ったら？
どうして女としての教養の足りない子を選んだんだろう」
梅子の言葉にその通りだとAは言い返すことも出来なかった。
何も言ってこないAに梅子も舌打ちをして更に言葉を続ける。
「体質や事情が特殊なんだか知らないけど、
大層甘やかされて育ったのね。
まあ、あんな女にダラしない人ときび団子で動物従わせるような人がまとまに子育てなんて出来るわけないでしょうけど。
貴女もきび団子で育てられた？」
まるで全身が沸騰したように熱くなり、
頭に血が昇ったAは
次の瞬間には梅子の頬を張り倒していた。
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鈴(プロフ) - ネコさん» コメントありがとうございます。アニメすごく面白いですよね。漫画もオススメです。無理しないように頑張ります。 (2020年9月8日 2時) (
レス) id: b29c9bf4f3 (このIDを非表示/違反報告)
ネコ - 最近Abemaで鬼灯を見始めてからハマってます（笑）応援してます！鈴さんのペースで更新頑張ってくださいね。 (2020年9月4日 18時) (レス) id: f7821a3b7d (このIDを非表示/違反報告)
鈴(プロフ) - 櫻駄ミズキさん» コメントありがとうございます。頑張ります！ (2020年9月2日 7時) (レス) id: b29c9bf4f3 (このIDを非表示/違反報告)
櫻駄ミズキ(プロフ) - めっちゃ好きです…！！応援してます(о´∀`о) (2020年9月1日 17時) (レス) id: 441661fb12 (このIDを非表示/違反報告)
鈴(プロフ) - レノン・リーシュナさん» コメントありがとうございます。両作品とも拝見した事のない作品なので、検討という形にさせて頂きます。すみませんでした。 (2020年9月1日 7時) (レス) id: b29c9bf4f3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：十五
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/personal.php
作成日時：2020年7月27日 0時
