傷のついた少女【鬼灯の冷徹】 (ページ6)

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6回鍋肉ページ6

白澤「えっと、じゃあAちゃんはここ、ベッドで寝てね。」

A「……」

白澤「……あ、いや安心して、別に同じベッドに入って寝たりしないから！僕は床で布団敷いて寝るから」

A「……」

あ、何だ、単に無言なだけか。

A「おしごと」

白澤「！？」

びっくりしたー、急に口開くから……

白澤「お、お仕事？」

A「おしごと、ごはん？」

舌足らずだな…………

白澤「え、えっと、ご飯が欲しいの？」

かなり痩せてるもんな……お腹すいたのかな。

A「わたしのおしごと、ごはん、つくる？」

ああなる程、生きてた時親のご飯ずっと作ってたから……

白澤「良いよ、ここに座ってて。ご飯、持ってきてあげる」

理解できるよう、ゆっくりと言葉を発した。

A「わたしのおしごと」

私がやるって……こと？

白澤「そこまで言うなら、手伝ってもらおうか…」

A「……」

白澤「桃タロー君、Aちゃんにご飯作るんだけど、何か材料ある？」

シーーン

白澤「え、もしかして出かけてる……？」

え、どうしよ。何があるかな……

白澤「何食べる？」

そう言いながら冷蔵庫を開けて考える。僕が行動を起こさないのを見て、いきなりAちゃんが動き出した。

白澤「え、何か作れるの？」

手際よく冷蔵庫から食材を選んで引っ張り出す。

A「ほうちょう」

白澤「ええ、ああ、はい」

包丁を渡してまな板も用意してあげると、キャベツをサクサク切って肉も切って炒めてなんかタレつけて………

数十分後…

A「…」コトッ

白澤「あ、できたの？……あ、これ回鍋肉？」

A「ほいこーろ」

白澤「上手いねぇ～手際すっごい良いじゃん」

僕が褒めても、表情はひとつも変わらない。照れているわけでもなく、何の反応もしないし、僕の言ったことの意味が理解できてるのかどうかもよく分からない。

白澤「…………」

A「…………」

白澤「食べないの？」

また彼女は首をかしげる。

A「わたし、たべる、いけない」

白澤「良いよ食べなよ。お腹空いてるんでしょ？」

Aちゃんは、黙って自分が作った回鍋肉を僕に差し出してくる。

ご飯もろくに与えられてなかったとか……？

A「…………」

目が………おじろくやおばさと同じ目をしてる。

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「おじろく」や「おばさ」ってなんだ？って人は調べてみて下さい。