傷のついた少女【鬼灯の冷徹】 (ページ32)

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金魚草のぬいぐるみ。人間の頭くらいの大きさ。

一子「うわあー」

二子「値段は？……高い…。」

一子「さっきペンダント買ったからお金使いすぎちゃったね」

２人は残念そうな顔をして財布を閉じた。

A「……」ジー…

Aが、ずっと金魚草のぬいぐるみを見つめていた。そして手に取って値札を見てまた元の場所に置いた。

一子「A様、どうしたの？」

A「………」

二子「A様？」

A「……」ピクッ

A「……？」

一子「んん？…」

二子「どうしたの？」

二子が尋ねると、Aは首を横に振って２人の所へ駆け寄った。

二子「？」

一子「？」

A「………」

一子「てことでもうお金無いね…」

二子「勢いで買いすぎちゃった」

一子「そろそろ戻る？まだあまり遊んでいないけど」

二子「とりあえず戻ろう」

そのころ極楽満月

白澤「あ～暇だなあ」

鬼灯「仕事しろ」

白澤「もお、何で僕がお前なんかと一緒に店に取り残されないといけないわけ？……桃タロー君は草刈りに行っちゃうし」

鬼灯「それはこっちのセリフですよ。今私が寝たらあなた絶対顔面に落書きとかしそうですし」

白澤「そんな低レベルな事しないよ。もっと面白い事を……」

鬼灯「あ”あ？」

白澤「ナンデモナイデス」

鬼灯「それより何か冷たい飲み物いただいてもいいですか。ていうか寄越せ」

白澤「それが人に物を頼む態度か！」

鬼灯「いいから寄越せ」

白澤「ちっ……えっと、烏龍茶でいい？」

鬼灯「はい」

白澤「よいしょ…あ、ねえ見てコレ～！こないだ買ってきたお茶瓶なんだけどさ、綺麗でしょ」

鬼灯「ほう、お前にしてはなかなかいいものを選びましたね」

白澤「失礼な！」

白澤「はいどうぞ」

鬼灯「どうも」

白澤「久しぶりに烏龍茶なんて出したよ。僕も桃タロー君もたいてい薬湯かあったかいお茶しか飲まないからねえ」

鬼灯「あ、これオセロですか」

白澤「え？あ、うん。」

机の端に置いてある、オセロのセット。

白澤「面白そうだから買ったんだよ」

鬼灯「少し勝負しましょう。」

白澤「いいよー僕に勝てるもんなら勝ってみろ」

鬼灯「生意気な。負ける訳が無いでしょうが」

数分後

一子「ただいま～」

二子「ただいま～」

A「…」

一子と二子の手には、ファ○タグレープが握られていた。

鬼灯「おや、早かったのですね」

一子「お金使いすぎちゃった」