傷のついた少女【鬼灯の冷徹】 (ページ4)

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映像を流していくにつれて、そこに映る少女の表情は減っていった。

彼女の家は母親の性格が荒れていて、父親は金をやるから別れてくれと出て行ってしまったのである。

母親はAに暴力を毎日のように振るい、心身共に痛めつけた。

嫌な事があるとすぐにそうした。

子供を召使いのように扱った。

そしてついに殺された。

鬼灯「とりあえず、映像を見た限りは…」

閻魔「地獄行きにはできないね」

？？「こんにちは～配達です」

閻魔「ん？配達？」

鬼灯「私が出ます」

鬼灯「お前かよ」

白澤「何だよ！薬届けに来てやったんだろ！」

鬼灯「タイミングが悪いんですよ。」

白澤「……どういうこと」

鬼灯「こちらに来て下さい。」

白澤「ん？何なに？」

鬼灯「本日死亡した亡者のAさんです。」

白澤「え」

ちょっと待って。

この子、まさか……………

鬼灯「どうかしましたか？」

白澤「……………」

鬼灯「白澤さん」

白澤「……！あ、いや何でも」

鬼灯「彼女は虐待を受けて死亡しました。教育もろくに受けていないので言葉の発達もあまりしていません。心身共に傷つきすぎて今はこんな感じで人形の様になってしまいました。ですがこの鏡で映像を見た限り、地獄行きにすることはできません。裁判をする必要も無く地獄行きでないと判断されました。」

白澤「う、うん。」

鬼灯「彼女が天国で１人で暮らせると思いますか？」

白澤「ちょっと待って」

鬼灯「何でしょう」

白澤「この子天国行きなんだよね？だったら僕んとこによこして。」

鬼灯・閻魔「は？」

白澤「昔ちょっとした縁があるんだよね、この子とは。」

はて、映像に白澤さんは出てきませんでしたが。

白澤「まあそういうことだから、連れて行くよ、Aちゃんは。報告よろしくね。」

鬼灯「良いんですか、大王」

閻魔「まあいいでしょ。どうせ白澤君も天国で暮らしてるんだし。」

鬼灯「あ」

鬼灯「薬代を渡すのを忘れました。」

鬼灯「まあいいか。」