傷のついた少女【鬼灯の冷徹】 (ページ24)

今日:7 hit、昨日:28 hit、合計:80,078 hit

24似ているページ24

A「……」ボーーッ

鬼灯「眠いんでしょう。寝なさい」

白澤「何で考えてる事わかんの？」

鬼灯「似ているんですよ表情が。一子と二子に」

白澤「あ～………」

A「………」

白澤「確か………………に？」

桃太郎「白澤様、俺ちょっと薬草採って来ますんで」

白澤「あ、うん。ありがとう～」

鬼灯「よく働く部下ですね。上司がダメだから成長が早い……」

白澤「失礼な！！あれは自立って言うの！」

鬼灯「シーッ」

白澤「ん？………あぁ。」

A「zzz」

白澤「また寝ちゃったかあ。」

鬼灯「はい。とりあえず私はベッドを下りましょうか」

白澤「お前何でこの子に優しくすんの？」

鬼灯「は？」

白澤「言っちゃ悪いけど、一応亡者でしょ？お前、亡者見たらボコボコにするよね」

鬼灯「私が手を下すのは地獄の亡者です。Aさんは天国行きです。それに……」

白澤「それに？」

鬼灯「生前の事情が私と似ているので。」

白澤「………」

白澤「は？」

白澤「え？何？どういう事？」

鬼灯「うるさいブーブー鳴くな」

白澤「せめて『泣くな』にしてよ……。え？お前…………虐待受けてたの？ていうかもともと人間なの！？」

鬼灯「お前に話すような事じゃない。」

白澤「………」

白澤「そうだね。聞かないでおくよ」

鬼灯「……」

私もAさんと同じ。

殴られ、使われ、最後には「殺された」。

扱いはAさんの方が酷かったのかもしれない。私は５歳か７歳までそんな仕打ちを受けて死んだけど、Aさんは今１６だと言った。

よくあんな生活を途中で止めずに死ぬまでやったもんだ。

まあ自ら命を絶つ事は地獄では罪になるが……

白澤「おい」

鬼灯「………」

白澤「おい！」ガシッ

鬼灯「………。触るな」バコンッ

白澤「痛っっ！パワーアップしやがって！……何ボーッとしてんの」

A「んん……………」

鬼灯・白澤「おおっ………と」

白澤「……」ポンポン

頭に手を置くと、また停止して眠った。

鬼灯「何故頭を撫でられるのが好きなんですか。」

白澤「いや～……ほら、愛情求めてるっていうか。」

鬼灯「ほう」

白澤「お前もこれ、子供の時やられて嬉しかったんじゃないの～？」

鬼灯「いえ、不快でしたよ」

白澤「………てかやったらぶっ飛ばされそう」

鬼灯「はい。」

鬼灯「何故Aさんを引き取ろうと思ったんですか」

白澤「言ったろ、縁があるの。」