傷のついた少女【鬼灯の冷徹】 (ページ3)

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3浄玻璃の鏡ページ3

閻魔「あ、おかえり鬼灯君………って誰その子」

鬼灯「亡者ですよ。ただ、あまりにも様子がおかしいのでとりあえず閻魔殿まで連れてきたんです。」

彼女の顔を見て、一瞬で閻魔大王の笑顔が消えた。

鬼灯「ほら、おかしいでしょう？私がここまで無理やり連れてくる間も、何も言わないんですよ。」

閻魔「何か、言っちゃ悪いけど、人形じゃないよね？顔が一切動かないけど……」

鬼灯「ええ、私もそう疑っていろいろ確かめましたけど、呼吸もしてますし、脈も打っています。」

閻魔「おーい、……えっと……名前わかんないや」

鬼灯「本日死亡した亡者の一覧から探さなければいけませんね。」

A「A」

閻魔・鬼灯「！？」

閻魔「え、喋った」

鬼灯「言葉は通じるんですか？」

鬼灯が尋ねた事に対して、Aは首をかしげる。そして自分の腕をじっと見て、また言葉を発した。

A「けが、なくなった。なんで。」

舌足らずな発音で話している。

鬼灯「怪我？」

A「たくさん、あった。」

閻魔「死ぬ前に事故にでも遭ったんじゃないの？」

鬼灯「そうですかね………えっと、Aさん。ここは地獄です。あなたは死にました。これから裁判を受けて地獄で罰を受けるか天国に行くかを決めます。」

鬼灯の説明を聞くと、Aはまた首をかしげた。

鬼灯「脳が成長に追いついて無い人なのでしょうか？」

閻魔「かもねえ……浄玻璃の鏡で見るしか無いねえ。」

鬼灯「直接ここで裁判をすることでいいでしょうか？」

閻魔「うん」

鬼灯「では鏡の電源を入れます。」

ザザーーーーー………

ピッ

鬼灯「あ、これですね。」

画面に、散らかった部屋に座り込んでいる幼いAが小さく映る。

閻魔「小さい時みたいだね、今いくつかな？」

鬼灯「A今歳はいくつですか」

A「じゅうろくさい」

鬼灯「後で書類を見つけておく必要がありますね」

と、急に画面がAを大きく映し出す。

閻魔「！？」

鬼灯「これは………」

ところどころアザがついた皮膚が見えた。