傷のついた少女【鬼灯の冷徹】 (ページ17)

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17追いかけたページ17

白澤「やっとできたーー」

桃太郎「ふう」

薬が完成したから、包装して戸棚に置いておいた。

白澤「ああもう10時じゃん！？」

桃太郎「あれ、もうそんなに経ってたんですか？」

白澤「ごめんねAちゃん！ずっと放置しちゃって」

A「……」

白澤「よくそこでじっとしてられたね、暇じゃなかった？」

A「……」コックリ、コックリ

白澤「ん」

桃太郎「眠いみたいですね」

白澤「……！！」

ギュッッ

白澤「可愛いぃぃ！！」

桃太郎「白澤様！？」

A「……」

白澤「よし寝よ寝よ！ごめんね気づいてあげられなくて～」

桃太郎「離してあげて下さいよ……絶対苦しいですって、それ。」

白澤「ん、あ！ごめん。うっかり」

A「……」パタッ

白澤「おっと」ガシッ

A「zzz」

僕に寄りかかる形で倒れ、眠ってしまった。

白澤「寝床に運んでくる」

桃太郎「後片付け先にやってますよー」

白澤「うん」

白澤「よいしょっと。」

ベッドに乗せてやり、布団をかけて完了……じゃなかった。

白澤「えぇ～」

Aちゃんの右手が、しっかりと僕の白衣掴んじゃってる。
眠ってんのにかなりの力。

白澤「どの君も可愛いいなあ」

最初は北京原人の中で何故か１人だけ顔立ちの違う女の子。

声をかけることも出来ずに死亡してしまった。

次は大きな魚だった。

火山の噴火で死んでしまった。

次はある村の女の子だった。

働き者だったけど、みなしごだった。

村が貧しくなったとき、病気で死んでしまった。

次もある村の女の子だった。

ようやく声をかけた時には夫と子がいた。

幸せな一生を終えて死んだ。

次は空を飛び回る鷹だった。

人間に撃たれて死んでしまった。

この時は人間を嫌った。でも僕は神だから、森羅万象を否定してはいけない。

邪魔も許されない。

どれもどれも、全部君だったなー。

転生し続ける君を追いかけて、追いかけて、追いかけたけど、

ついに見失って、何千年も見つけられなくて、ヤケになって女の子と遊びまくって。

でも、ついにまた見つけた。転生先を僕がずっと追いかけて来た君を。

今度こそ僕のものにしてみせる。

コンコン

桃太郎「白澤様、片付け終わっちゃいましたよ」コソコソ

白澤「あ、ごめん忘れてたごめん！」コソコソ