【うたプリ】繋ぐ音色はいつだって【来栖翔】 (ページ44)

今日:29 hit、昨日:0 hit、合計:71,447 hit

＊変わる確信ページ44

あの後の授業は、なんか、俺のほうがドキドキしちまって全然身が入らなかった。
あんまりにも集中出来てなくて、龍也先生にも怒られてしまった。

それに対してAの様子はと言うと……
至って普通。
昼休みぐっすり眠れたからなのか、午前中よりしっかり集中して授業を受けていた。

ほんと、天然なのか慣れてんのか……
……いや、おい。
慣れてるってことは……ない、よな？

そうこうしているうちに、結局最後の授業まで集中できないまま、1日が終わってしまった。

翔「はあ……何やってんだ俺」

那月「翔ちゃん、大丈夫？頭痛いんですか？」

部屋に戻ってから、恥ずかしさと同時に情けなさが襲ってきて、頭を抱えていた。
それを頭痛と勘違いしたようで、能天気に那月が声をかけてくる。
こいつにバレるとややこしくなんだよなあ……

翔「なんでもねぇよ。あっち行ってろ」

那月「でも、この前も翔ちゃん、それで熱出してましたよね？無理はよくないです！！辛い時は辛いって言わないと！！また僕が看病して……」

翔「それだけはやめろマジで」

前にも那月が勘違いして、強制的に看病されたことがある。
けど、マジであれは拷問だった……
２回目なんて死んでもごめんだし、と言うかマジで死ぬわ。

翔「ホントに身体はなんともねぇから。心配すんな」

那月「じゃあ、何か悩み事ですか？」

翔「悩み事っていうか……」

那月「翔ちゃん、隠しちゃよくないです！！僕、いつでも力になりますから！！」

いや、気持ちはありがてぇんだけど、お前のそれは逆に怖ぇわ。
けど、那月はこうなったらしつこいからな……
あーもう、仕方ねぇ。

最終的に俺の方が折れて、Aとのこと、話せる範囲で話した。
そして、薄々自分でも気づいてた気持ちが、那月の一言で確信に変わってしまった。

那月「翔ちゃん……それは間違いなく……“恋”です」

.