【うたプリ】繋ぐ音色はいつだって【来栖翔】 (ページ39)

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＊見え始めた疲労ページ39

それから1週間は過ぎただろうか。
Aの作曲の話は、見事にテストの時の曲が学園長のお目に叶ったらしく、正式に決定したらしい。
それ自体は俺もすげぇ嬉しいし、素直に応援してやりてぇって思ってる。

けど、やっぱどっか寂しい気持ちが、どうしても拭えない。
ガキか、俺は……

ーーートントンッ

翔「んお？」

そんなことを考えていると、不意に机を叩く音がした。
この音がしたってことは……

『翔、おはよう』

翔「お、おう。おはよう」

いつものように、指文字で挨拶するA。
けど……

翔「お前、目の下すげぇクマじゃん」

『眠い』

翔「だろうな。……もしかして、作曲の件でか？」

俺の言葉にコクリと頷きながら、一つ控えめな欠伸をするA。
あっさり頷いたけどお前……

翔「大丈夫かよ。授業もあんだぞ？」

『大丈夫、眠いだけ』

翔「いや、それもそれで……大事な仕事なのは分かるけど、あんま無茶すんなよ？」

『無茶はしない。限界だと思ったら、寝るよ』

翔「限界来る前に休めっつうの！！」

眠気のせいなのか、随分淡々と話すAに、思わず突っ込んでしまった。

そんな俺の言葉も聞こえてるのか聞こえてないのか、今にも寝落ちするんじゃないかと思うほどボーッとしてるA。
マジで倒れられても困るから、気休めくらいにしかならないと思うけど、俺の席に座らせて、始まるまで寝かせてやった。
って言っても、あんま長い時間寝かせてやれなかったけどな。

それでも全く寝ていないよりはマシだったようで、その後の授業はちゃんと起きていた。
話聞いてたかどうかは、わかんねぇけど……

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