【うたプリ】繋ぐ音色はいつだって【来栖翔】 (ページ32)

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＊隠してない？ページ32

翔「で、どうした？」

談話室についたところで、Aと二人ソファに腰掛けながら本題に入る。
指文字だと伝えづらいのか、ノートに書いて俺に見せるA。

『翔、私に隠してることない？』

翔「へっ？」

思わず間抜けな声が出た。
隠してることって……もしかして、午後の授業の前のこと、まだ気にしてんのか？

翔「べ、別に何も隠してなんか……」

『明らかに動揺してる。隠してるよね？』

翔「だから、別に何もんんっ！？」

何も隠してない。
そう言おうとした瞬間、遮るように俺の口を塞ぐA。
そして、今度は指文字でこう言う。

『隠してるよね？』

怒ってるような……それでいてどことなく不安げな表情。
言葉にしなくても、すぐわかる。
すっげぇ心配かけてるってこと……

そんな顔すんなよ……
そういう寂しそうな顔させたいわけじゃねぇんだ……
けど……不安な顔させたくないからこそ、あんまり言いたくねぇんだ……

そう思っていると、Aは俺の口から手を離して、再びノートに何かを書く。

『午後の授業前、翔、ものすごく息切らしてた。顔色もあんまりよくなかった』

俺が読んだのを確認すると、Aはノートのページをめくる。
そこに書かれていた言葉に、思わずドキッとした。

『病気なの？』

翔「なっ、ち、違……！！」

あまりにも的確に当てられて、思いっ切り動揺しちまった。
そのせいで、Aにもばれてしまった。

『病気なんだね。小さい頃に病院にいた時の、治ってないの？』

翔「いや……そういうことじゃ……」

『嘘つかないで。話してくれないと、心配。嘘つかれると、傷つく』

押し付けるようにノートに書いた文章を見せてくるA。
その表情はさっきより増して、不安げだった。

あぁ、もう……！！
そんな顔させたいんじゃねぇんだって……！！

不安げな表情を見せるAに耐えられず、俺は意を決して本当のことを打ち明けた。

翔「小さい頃から、その……心臓(ここ)が、良くねぇんだ……」

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