【うたプリ】繋ぐ音色はいつだって【来栖翔】 (ページ30)

今日:15 hit、昨日:0 hit、合計:71,433 hit

＊時間ギリギリページ30

翔「っと！！セーフ！！」

あの後夢中になってたら、授業のことすっかり忘れてた！！
時間ギリギリになって猛ダッシュできたから、なんとか間に合ったけど……
やっべぇ、危うくすっぽかすとこだった……！！

翔「わりぃ、A……！！大丈夫、か……？」

Aも手引いて引っ張ってきちまったから、様子見てみたけど多少息が上がってるくらいで大丈夫そうだった。
よかった。
いつも購買行った後とか真っ青になってっから、心配してたけど……

けど……流石にちょっと、急にダッシュしすぎたな……

『翔、大丈夫？』

翔「大丈夫、だって。ちゃんと、授業……間に合っただろ？」

『そうじゃない。息、すごい切れてる』

指文字でそう伝えてくるAに、一瞬ドキッとした。
けど……このこと、Aには話してねぇんだ……

翔「だ、大丈夫だって！！急に、ダッシュして、ちょっと……息切れた、だけだからさ」

心配かけないように、ホントはめちゃくちゃ息切れてんのに、できるだけ平然を保って見せる。
Aは何も言ってこないけど、明らかに信じてないって目してた。

翔「ホントに、平気だって。ほら……席、ついとかねぇと」

ちょっと強引に誤魔化して、席につく。
多分、Aはまだ信用してくれてねぇんだろうな……

でも、本当に大したことねぇんだ。
息切れしただけで胸も痛くねぇし、“発作”だって起きてねぇ……
こんなの……ちょっとすりゃマシになる。

アイドル志望でここに来てんのに、この程度でへばってられねぇだろ。
それに……Aだって、声を失くして辛い思いしてんだ。
それに比べりゃ、こんなもん……どうってことねぇよ。

そう思いながら、周りにできるだけばれないように、ゆっくり静かに呼吸を整える。

.