【うたプリ】繋ぐ音色はいつだって【来栖翔】 (ページ15)

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＊交換ページ15

そうして午前の授業を終え、昼休み。
昨日と同じように、戦場と化した購買にAと挑んだはいいものの……

翔「大丈夫……じゃないよな」

案の定、Aの顔が真っ青だった。
元々人混みが好きじゃないらしい上に、スーパーのタイムセールかってほど、ラッシュ時の購買は人でごった返している。

翔「明日からは俺が買ってきてやるから、お前教室で待ってろ？」

気を遣ってそう言ったものの、Aはブンブンと首を横に振った。
そして指文字だろうか、少し手を動かしたかと思うと、やっぱり面倒だったのか結局筆談になった。

『翔に迷惑かけられない。頑張って慣れる』

翔「慣れるって、その前にぶっ倒れるぞお前」

『慣れる』

翔「いやだから……だーもー仕方ねぇ。わかったよ」

これ以上押し問答してても、多分こいつは“慣れる”の一点張り。
意見を変えようとはしないだろう。
結構頑固なとこあるんだな、こいつ……

そんなことを思っていると、不意にAが服の裾を掴み、パンを一つ俺の方に差し出してきた。
これ、さおとメロンパン？

翔「すっげぇじゃん！！昨日牛乳パック一つだったのに、もうこんな人気商品取れるようになったのかよ！！」

俺も必死に狙ってたけど、見た時には既に売り切れていた。
学園一の人気商品だから仕方ねぇって思ってたけど、やるな、A！！

『これ、翔の』

翔「へっ？俺の？」

まさかの発言に間抜けな声が出てしまった。
つっても、俺、自分のちゃんと取ってるぜ？

『昨日くれたから、同じの。食べたかったんでしょ？』

翔「まあ、確かに一回食ってみてぇとは思ってたけど……けどいいのかよ。すっげぇ人気だから、今度いつ食えるかわかんねぇぞ？」

『いい。まだ食べてない翔が優先』

……なんか、すっげぇ照れくせぇ……
けど、せっかく気遣ってくれてんだし……

翔「じゃあ、もらっとく……けどお前、自分の分あんのかよ？」

『ある。牛乳』

翔「って、それじゃあ昨日と同じじゃねぇか。ったく……ほら、交換」

そう言って、今日取った焼きそばパンを渡す。
最初は遠慮してたけど、流石にもらっといて食わせねぇわけにはいかねぇし、ちょっと強引に渡した。
けど、なんだかんだで嬉しそうな表情してた。

ほんと、可愛い奴……
サンキューな、A。

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