＊プロローグ ページ1
出会ったのは、俺がまだ子供の頃だった。
小さい頃から、病気のせいで、病院生活が多かった。
昨日友達になった奴が、明日にはいないなんてこともざらで……
俺も、怖くて、不安で仕方がなくて……
そんな時だった……
「〜♪〜〜♪」
散歩がてらよった、病院の中庭から、聞き覚えのある歌が聞こえてきた。
すげー小さい声だけど、これ、俺知ってる……
そう思って声をたどっていくと、ベンチに座って、分厚い本を膝にのせて歌ってる、彼女がいた……
翔「お前が、歌ってんの？」
「えっ……？う、うん……」
歌声以上に、小さい声だった。
話しやすいように隣に座って、俺は無邪気に話を続けた。
翔「俺もそれ知ってる！！きらきら星って言うんだろ？でも、俺の知ってるのとちょっと違う？」
「……歌詞、英語だから……」
翔「英語！？英語の歌歌えんの！？すっげー！！」
「本に、書いてあったから……別に、普通、じゃない……？」
翔「いやいや普通じゃねぇよ！！俺、英語の歌なんて歌えねぇもん！！」
無邪気にはしゃぐ俺の様子に、彼女はキョトンとする一方だった。
今考えると、めちゃくちゃ驚かせちまったんだろうな。
でも、まだ子供だった俺は、そんなこと気にせず、話し続けた。
翔「なあ、名前、なんていうの？」
A「えっ……A……」
翔「Aか……俺は翔って言うんだ！！なあA、俺にも教えてくれよ！！英語のきらきら星！！」
A「えっ……いい、けど……」
それ以来、俺は彼女に……Aに、いろんな歌を教えてもらった。
毎日、毎日……
ときには一緒に歌ったり、別の話をしてみたり……
今でも、ひとつ残らず覚えてる。
英語で綴られた曲……“
お前に会えなくなってからも、ずっと……
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 103人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：十九 雷音 | 作成日時：2017年4月23日 1時
