五話 ページ7
「あっ、妋鬼隊長!」
「もしかしてこの旅禍狙ってます?」
二人隊士を前にAは答えた。
「いーや別に。私の探してた人と違うし…ハズレみたい。一角、弓親。ちょっと時間くれる。」
「まぁ、いいっすけど」
「ありがと。」
そう言ってAはオレンジ色の髪をした死神の方を向く。
そして問う。
「ねぇ、アンタ名前は?」
「お、俺か?俺は志波岩じ…」
「アンタじゃない。そっちのオレンジ頭のほう。」
「黒崎一護だ。」
「私は十四番隊隊長。妋鬼A、よろしく一護。早速だけどアンタらさ夜一って人と来たんじゃない?」
「隊長格か…夜一さんの知り合いか?」
「やっぱりいるんだ…。じゃあ次の質問ね」
「おい!俺の質問に答えろよ」
死神代行は怒ったように強く言った。
だが今のAには逆効果のようでAの霊圧が強くなる。
「うるさいなぁ…。一護、黙って私の質問にだけ答えてよ。」
一護を見るAの目も霊圧もあからさまな怒りを表していた。
「……ッ!」
一護も一角や弓親、岩鷲。その場にいる者が恐怖を感じ唾を飲む。
「アンタは死神でしょ?でも尸魂界の者じゃない。なぜなら、朽木ルキアから力掻っ攫って死神代行になったから。違う?」
「……そうだ。」
「今、尸魂界にいる旅禍だけじゃ此処に来ることは出来なかったはず。アンタも斬魄刀で戦えるまでにはならなかったでしょ?誰に教えて貰ったの?夜一さんの他にいるはずだよ。アンタらに力貸した人が。」
「………」
黙る一護の頬を汗が伝った。
「答えてよ!!!」
Aは感情に任せて怒鳴ってしまう。
「浦原……喜助だ。浦原さんが俺と修行をしてくれたんだ。」
「…ッ!き、喜助が。あっそ、ありがと一護。」
Aは踵を返した。
「一角も弓親も待ってくれてありがとう。ごめんね〜」
そう言って手を頭の上で合わせる。
「別にいいっすよ」
「んじゃ、私行くから…またね」
そうしてAが走り出そうとした時だった
「待てよ。あんた隊長なんだろ?A。」
「それがどうかした?」
「その二人より強いんだろ?なら…」
「一護。私、人探ししてんの。それにアンタは一角たちには勝てないよ?そんな奴に私は刀を抜かない。またね。」
「おい待て!」
Aはまた走り出した。
彼女の瞳が僅かに潤んでいたことは誰も知らない。
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楠人(プロフ) - か め。さん» ありがとうございます!励みになります!! (2020年5月30日 21時) (レス) id: c9bf14d7b8 (このIDを非表示/違反報告)
か め。(プロフ) - え、すっごい面白いです。。続き楽しみにしてます! (2020年5月2日 13時) (レス) id: 0ff4cbc77d (このIDを非表示/違反報告)
楠人(プロフ) - yuiさん» ありがとうございます! (2020年1月6日 14時) (レス) id: c9bf14d7b8 (このIDを非表示/違反報告)
yui - が、が、がんばってくださいぃぃ!! (2019年11月4日 18時) (レス) id: a956401359 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:楠人 | 作成日時:2019年3月24日 17時