何も知らずに生きてきた【BLEACH】 (ページ49)

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番外編～其ノ肆～ページ49

「その斬魄刀を収めてもらおうか。死神さんよぉ。」

舌打ちと同時に彼女は虚の言う通りにした。

「この餓鬼はもらってくぜぇ、おっと、着いてくんじゃねぇぞぉ。」

虚は自分を追いかけないよう釘をさす。
彼女は笑みを浮かべて答えた。

「分かったよ。ここから一歩も動かないさ。」

その言葉に奏太はもちろん、彼女の後ろにいた子供たちも涙を浮かべた。

「へっ。分かってんじゃねぇか。
お前ら死神も俺には勝てねぇからな。」

踵を返し何処かへ行こうとする虚を彼女は挑発した。

「はぁ？何言ってんのさ。こっから動かなくてもお前を殺れるって言ってんだよ。」

「あ？んだと死神風情が＿＿」

虚が彼女の方へ振り向く

「破道の一衝」

その声と同時に指から放たれた衝撃がいた虚の頭を撃ち抜いた。

虚は崩れ落ち、動かなくなる。
彼女は落ちる奏太を助け出した。

「悪いね。破道の一衝は基本低威力の衝撃とされてるけど、私の場合はお前程度の虚は詠唱破棄でも足りるんでね。」

彼女は奏太を抱え、消える虚に吐き捨てた。

よいしょっと奏太を下ろし怪我はないかと確認する。

「うっ……うぅ……ひっ…」

「なに、泣いてんの？」

「そーかい。」

彼女は強がる奏太の頭を優しく撫でた。
他の子供たちも怪我がないか確認し終えると
地獄蝶を放つ。

「怪我してないよ？」

「2週間も虚といたんだんだから、瘴気に当てられてるかもしれない。症状が出る前に検査しないとだめなんだよ。

四番隊がここにくるまでしばらく大人しくしてるんだよ。」

「うん。」

その後はみんな緊張の糸が切れたのか、泣き疲れたのか眠ってしまった。

「これに懲りて悪さは辞めなよ。」

奏太の頭を撫で呟いた言葉は子供たちに届いていたのだろうか。