何も知らずに生きてきた【BLEACH】 (ページ47)

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番外編～其ノ弐～ページ47

「♪♪～。♬～。」

ある日。
ご機嫌に鼻歌を歌いスキップをしながら流魂街を歩く死神がいた。

深紅の髪をなびかせ、彼女の雪のように白い瞳が
とある人物へと向けられる。

「奏太(そうた)、なぁにやってんの。」

奏太。彼女が流魂街へ散歩に行く毎に目にするものでそのうち仲良くなったのだ。

「あっ、Aさん！！」

奏太は彼女を見つけるなり仔犬のようにはしゃいで
寄ってくる。

「今日も仕事ほったらかして散歩してんの？」

「ばーか。仕事終わらしてきたんだよ。」

奏太の質問にすらっとついた嘘で誤魔化す。

「奏太はなにやってたの？」

「これからみんなで集まって遊ぶんだ！」

「そうか。悪さはするんじゃないよ。」

「わかってるよ」

いつもこの程度を会話をして別れるが、今日に限っては奏太に違和感を感じた。

「気乗りしないけどなぁ。」

彼女は気配を断ち奏太の後を追った。

その後仲良く遊び続ける彼らを見つけるなり陰から見ていた彼女は勘繰りすぎたかと一息つく。

その時だった。

遊んでいる彼らの元に小さな虚が現れる。

「……っ。うそ………！！」

その光景に驚いた彼女はその後も驚かされることになる。

その虚は彼らを襲うどころか彼らに懐いているように見えた。

「奏太に感じた違和感はこれか。」

彼女は奏太についた僅かな虚の気配を感じたのだ。

「困ったねぇ。こりゃ。」

彼女が頭を抱えていることを彼らは知らない。