何も知らずに生きてきた【BLEACH】 (ページ5)

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三話ページ5

とある日のこと。

Aは隊首会に出席していた。

静まった雰囲気の中、扉が音を立てて開く。

「来たか」

山本元柳斎の声と同時に市丸ギンが部屋に入った。

「なんですの？いきなり呼び出されたかと思ったら、こない大袈裟な。尸魂界を取り仕切る隊長さん方が僕なんかのために揃いも揃って……
でもないか。十三番隊長さんがいらっしゃいませんなぁ。どないかされはったんですか？」

市丸ギンの質問に東仙が答える

「彼は病欠だよ。」

「またですか、そらお大事に」

そして更木が問う。

「ふざけてんなよ。そんな話で呼ばれたと思ってんのか。てめぇ一人で勝手に旅禍と遊んできたそうじゃねぇか。しかも殺り損ねたってのはどういうわけだ？てめぇ程のやつが旅禍の４、５人ワケもねぇはずだが」

「あら、死んでへんかってんねや、あれ。」

「なに」

「いや、てっきり死んだ思うててんけどなぁ。
僕の勘も鈍ったかな。」

そう言って頭を掻く市丸に言葉を投げかけたのは涅だった。

「猿芝居はやめたまえよ。我々隊長クラスが相手の魄動が消えたかどうか察知できないはずはないだろう」

「始まったよ、馬鹿オヤジどもの馬鹿喧嘩が。」

呆れ始めたのは日番谷だ。

「いややなぁ、まるで僕がわざと逃したみたいな言い方やんか…。」

市丸の言葉を

「そう言っているんだよ」

涅が肯定した。

「うるせぇぞ、涅。今は俺がコイツと喋ってんだ。それとも俺に切られたいのか？」

「なんですと」

涅と更木が睨み合う。

「くだらぬ。」

砕蜂が呟く。それに続いてAや京楽も呟いた。

「だっる…」

「やれやれ血の気が多いねぇ」

そんな空気の中、再び総隊長が声をあげる。

「やめんか、みっともない。」

その一言で更木と涅は静かになる。

総隊長はさらに続けた。

「じゃが、今のでお主が此処へ呼ばれたわけが概ね伝わったかのう。今回の単独行動そして標的を取り逃がすと言う失態。どうじゃ、なんぞ弁明でもあるかのう市丸や。」

「ありません」

「なんじゃと」

「弁明なんてありませんよ。僕の凡ミス、言い訳のしようもないですわ。どんな罰でも受けま……」

「ちょっと待て市丸」

その言葉を遮る者がいた。名を藍染惣右介。

「その前に聞きたいことがある。」

藍染がそう言った時＿＿

『緊急警報、緊急警報。瀞霊廷内に侵入者あり。
各隊、守護配置についてください。』

この時Aはあの人と再開することを知らない。