何も知らずに生きてきた【BLEACH】 (ページ31)

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過去篇四話ページ31

Aが尸魂界にやって来て数ヶ月が経った。
喜助は勿論、二番隊の面々には慣れ親しんでいる。

「こら、A！それを持っては行けないと言っているだろう！」

「あはは！！砕蜂姉が追っかけてくる～。
夜一さん助けて～！！」

今は砕蜂と追いかけっこをしているようだ。

「A、戯れるのは構わんが砕蜂の物を盗るのは良くないのぅ。ほれ、返してこい。」

「はぁい。砕蜂姉、ごめんなさい。」

「全く……。これに懲りてもう辞めるんだぞ。」

砕蜂はAの頭を優しく撫でた。

「夜一さん！喜助はどこ？」

「部屋にいると思うぞ。」

それを聞くとAは勢いよく走り出した。
Aが見えなくなった頃、砕蜂が口を開く。

「Aはすっかり打ち解けてしまいましたね。本当にこれで良かったのでしょうか。」

「それは分からんが、Aがいることによって尸魂界も護れる。隊舎は多少騒がしくなったが愉快でいいじゃあないか。」

「そうですが……鬼の力がいつ蘇るか……。」

「喜助の技術は尸魂界でも一二を争う。Aに掛けた封印も消した記憶もあと200年は戻るまい。安心せい。」

「そうですね。Aも普通の子供のように過ごしていますし。」

「あぁ。」

Aが尸魂界に来て早々のこと、彼女はこう言う。

「私の記憶は私の行動を制限してしまう。同胞と気兼ねしてはいざという時に戦えない。だからこの記憶を……鬼に関わる記憶を消して欲しいの。」

喜助達は頭を酷使した上で頷いた。
そして暴走しては困ると思いAの中の鬼の力を封印し抑制出来るようにしたのだった。

そしてAの首には封印の証である鎖の紋様が刻まれた。これが消えた時、Aは再び鬼と化す。

だが、大きな見落としを彼等は知らなかった。