何も知らずに生きてきた【BLEACH】 (ページ30)

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二十五話主人公side ページ30

赤い空。紅い髪。私を見つめる黄色い瞳。
角がある私達。

私は死神に会いに行った。

そして死神に助けられた。

それが喜助。何かを懇願する幼い自分。

ねぇ、何を喜助に頼んでいるの。

幼い頃の私は「記憶を消して欲しいの。」と言った。

「鬼に関する記憶を消して。私を死神として生かして欲しい。鬼を力を封じて欲しい。」

私は何を言っているの？
鬼？記憶を消す？

なんのこと？

意味がわからない。頭が痛い。
遠くで大きな音がした。

雷の落ちる音。

嫌いな音。
大好きな人に会えた日の音。

あぁ、思い出した。
目を開けよう。そこできっと待っててくれる。
私の大好きな人が。

「ん。」

眩しい。窓から指す光は私を照らす。
なんか懐かしい。

「おはようございます。A。」

「おぉ、起きたかA。」

昔と変わらない声。

「おはよ。喜助、夜一さん。」

体を起こして大きく深呼吸をする。
喜助と目を合わせる。

喜助はちょっと驚いていた。

「私、全部思い出した。」

喜助は帽子を深く被った。

「そうっスか。本当にすいま＿＿」

「ごめんなさい。」

私は喜助の言葉を遮って謝った。

そう、私は謝らなきゃいけない。
身勝手過ぎた。
そのくせに尸魂界で夜一さんにも砕蜂姉にも
偉そうな事言っちゃったな。
これじゃあ一隊の隊長なんて務まらない。

私は全てを知った。
そう思った。