何も知らずに生きてきた【BLEACH】 (ページ3)

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一話ページ3

「ふあぁ～」

十四番隊隊舎に大きな欠伸が響いた。

「隊長、仕事してるんで目の前で寝るのやめて貰えますか？しかもソファーの上で。」

そんな副隊長の言葉を右耳から左耳に流している様子の十四番隊隊長。

「暇だね～。ただ寝てるだけってのも。」

「なら、仕事してください。見えるでしょう、この山積みの書類が。」

柘榴は机に積まれたそれらを指さした。

同時にAは体を起こし目を擦っている。

「あ、用事思い出したわ。んじゃちょっと出かけてくるね～。あとはよろしく～。」

バタン。

扉がしまった後の部屋に響いたのは深いため息だった。

「隊長、逃げましたね…。」

「う～ん。逃げてきたのはいいけどどこで暇を潰そうかな。砕蜂姉は忙しそうだったし十四郎も体調悪いし～。」

「おーい！！Aちゃ～ん」

彼女が頭を抱えていると誰かが彼女を呼び止める。

振り返ればそこには見知った顔があった。

「春水！」

考えてたのが嘘のように彼女の顔が明るくなった。

「どうしたのAちゃん、怖い顔して」

「それがさ春水、柘榴が仕事が云々てうるさいから逃げてきたんだけど…行く宛がなくってさ。」

「ちゃんと仕事をしなきゃダメでしょ」

「ははっ、春水には言われたくないよ。伊勢も大変だね。」

Aは京楽の隣に立つ副隊長に目を向けた。

「佳音副隊長よりはましですよ。」

「伊勢までそんなこと言うのかよー。ちぇ」

頬を膨らませているAを観て2人は微笑んだ。

「たまには相棒と作業するのもいいと思うよ、僕は。って言っても七緒ちゃんはしてくれないけどね」

「隊長は眺めてるだけじゃないですか」

「そんなことないよ！」

8番隊の2人のやり取りを眺めてAは少し考え
口を開いた。

「分かったよ。2人がそう言うなら隊舎戻るわ。
またね。春水、伊勢。」

そして手を振り笑顔で去った。

「昔に比べたら成長したね。Aちゃん。」

「そうなんですか？」

「あぁ、昔はとある人にべったりだったんだよ。」

「意外です。」

そんなやり取りがあったことをAは知らない。