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May.47 ページ10

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目の前にいる真剣に考えている彼のことを私は見つめた。






「レオがパソコンで作曲するなんて珍しいね〜」






私の声に気づいたのか、ヘッドホンを片耳ずらして、目線を上げたレオは言った。





「そうか〜?最近はデータで送れって言う人が多いんだよなぁ。おれは紙が好きなのに!」

「そうなんだ。まあ最近はデジタルの時代だからね〜」

「そうそう」




レオのお仕事を邪魔しちゃいけないからと会話をやめ、私はコーヒーを入れに行った。レオはブラック寄りの少しミルクが入ったコーヒーが好き。私は完全微糖派だから





「にがっ」





レオのために入れたコーヒーを1口飲めば、やはり苦い。よくこんなものを飲めるな〜






2つ分のカップをテーブルの上に置いて、読みかけていた本を手に取れば、いつの間にか1時間ほどが経過していたようだ。





「できたー!!」





そう言って叫んだレオの声を聞いて、私は本から視線を上げた。






「おつかれ〜!どんな曲?聴きたい!あ、でも聴かない方がいいか」

「別にいいぞ〜。この後、ちょっと修正するつもりだし」






レオからヘッドホンを借りる。作曲用のヘッドホンって凄い高音質でさ、繊細な部分まで聴こえるんだよ。

いつもの曲調とは違って、アップテンポでふわふわした感じの曲。Knightsのような男性アイドルではなく、もしかしたら女性アーティストに提供する曲なのかもしれない。なんか乗れる感じ、私は好きだな〜







でも、やっぱり





「なんかレオっぽい曲だね」

「……おれっぽい?」

「うん、いつもの曲と雰囲気は全然違うんだけど、普段のレオっぽい元気さがあるな〜って。ほら、Knightsの曲は少し大人っぽいけど、この曲は愛嬌がある曲っていうか。もちろんいい意味でだよ」

「んー、そっか。」





何やら1つ考えた上で、レオはパソコンのマウスを動かして、削除ボタンを押した。








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作者名:玲咲 | 作成日時:2021年5月1日 0時

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