May.50 ページ13
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「月永先輩や、こんばんはぁ♪じゃあ、俺はこの辺でお暇するなぁ。ほなな〜」
私たちに気を使ってか、みかくんは自室に戻ってしまった。みかくんがいた所にレオがどかっと座る。そして、手に持っていたのは小さな音楽プレーヤー。
訳も分からず、レオにイヤホンをはめられる。
「わはは、ちょっと聴いててっ!」
レオが再生ボタンを押すと、流れてくる音楽は、
「これ、さっき消したやつ…」
目を見開いて、レオを見ると、彼は笑って言った。
「おれは自分が作った曲は忘れないぞ〜。Aがこの曲好きみたいだったからさ、アレンジ加えて、もう一度書き起こしてみた!わはは!いい曲だろ!」
「…うん!めっちゃいい曲」
涙が出そうになったから、それを隠すためにレオに抱きついた。
「それで、お仕事のやつは完成したの?」
「ああ、完成したぞ!最高傑作が出来た!!Aのおかげだ!ありがとな!」
そう言って、レオは抱き締め返してくれた。いつもだったら、くしゃっと髪の毛を撫でられれば怒るのに、今日はなぜだかそれが心地よかった。
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作者名:玲咲 | 作成日時:2021年5月1日 0時