堕ちたのは君か俺か ページ17
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懐かしいのう
零は喉を鳴らして笑う
結局、Aを助けたのは零ではなく凛月だと勘違いしているA。
おまけに零のことなんて覚えてないときたものだ
それに気づいた時はショックで棺桶から出ないでやろうかとも思った
でもまぁいい。
簡単に堕とせないのが面白いものだ
「おや、Aの嬢ちゃんではないかえ」
『げ、朔間零』
嫌な顔をして早々に逃げようとする首に腕を絡め自分のほうに引き寄せる
「まぁまぁ、そんなに嫌がらなくてもいいではないか。しばしの間、おじいちゃんと遊んでおくれ〜」
『うぐっ!?ちょ、絞まってる締まってる!』
暴れようとするのでぎゅっと抱き締め腕の中に仕舞い込む
『ちょっと!?セクハラだよ、離して!』
どうせなら凛月くんがいい〜!!と叫ぶもんだからちょっとカチンときた
「ほぉ〜?そんなこと言っていいのかえ?」
ポケットからある写真を見せつければピタリと今まで暴れていた身体は止まった
『り、凛月くん!?』
「小学生の頃じゃよ〜♪可愛いじゃろう?」
さて、嬢ちゃん。
「これを貰うか、我輩を零と呼ぶか、選ばせてやろうかのう?」
その瞬間、沈黙が流れたがすぐにAは唸った
『う〜!!卑怯だぞ朔間零!』
「公正なる取引じゃよ」
腕の中で悶えるAの露わになっている耳にキスを落とせば身体が跳ねた
『え、な、なに!?』
顔を赤らめて必死で無意味な抵抗をする彼女が可愛くて、更にいじめたくなってしまう
「ふふ、早く決めるんじゃよ?我輩結構せっかちじゃから」
髪、首筋、こめかみ
どんどんと唇を落としていけば抵抗も弱まっていく
ついでに耳に息をフッとかければ甘い声が漏れた
やばい、楽しい。
止まれなくなりそうだと思いながら頭上にもキスを一つ落とす
『〜〜ッッ、い〜かげんに、しろ!!』
思いっきりくるぶし辺りを蹴られた
「ぅ、ぐ…か、加減いう文字を知らんのかえ…」
結構なダメージを食らって零はしゃがみ込んだ
『ふん、当然の報いだよ!
じゃ、凛月くんの写真は持ってくよ?』
じゃあね、零くん?と微笑みを一つ残してAは人気のない廊下を歩いていった
その姿に今度は零が顔を赤らめる番だった。
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多趣味のM(プロフ) - え、続きはないんですか??めっちゃ気になります (2021年9月5日 11時) (レス) id: f8e0dd5819 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アイスてぃー。 | 作成日時:2019年4月5日 21時