十六話 ページ17
二人は思い立ったが行動。
その日はあまりに騒がしく、
大掃除日和だったとな。
「...にしても」
日曜日。
Aは自部屋で腕組みをしながら思い出した。
それは、昨日の幸村と佐助の話だ。
白猫を追い掛けていたら、目の前が歪んで、この家に...。
と、考えると、その猫は何者なのだろう。
(...そういえば)
小さい頃、母が言っていた。
白猫の伝説。
母との思い出は、ほんとに少ししか覚えていないが、あれは本当に印象に残るものだった。
あれは、恐らく作り話でしか無いのだろうが...。
『昔、ほんとに昔。白い毛並みの猫は人々から嫌われていたわ。白猫が屋敷に迷い込めば、人は悪霊だ悪霊だ、と猫を追い出していく』
『どうして...?白猫さん、可愛いのに...』
『そうねぇ。白猫は美しく、汚れのない動物とされていたからよ。その頃の世界はね...、
人同士の戦いで、死に、傷を負い、手を汚してきた。けれど、それでも白猫は白いまま。
それは、戦う人々を愚弄するものだと言われていたのよ』
まだ四歳のAには、その意味が分かるはずがなかった。
けれど、今ならわかる。きっと、人間達はその猫を妬んできたんだ。
だが、なんと自己中心的な話だろう。それを望まぬ人がいたとはいえ、戦いをしてきたのは人間だというのに。
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彩月いろは(プロフ) - 美咲さん» コメントありがとうございます!更新は遅めですが、これからもよろしくお願いします! (2018年3月24日 18時) (レス) id: 676cb16bcb (このIDを非表示/違反報告)
美咲 - 更新頑張ってください。楽しみに見ています。 (2018年3月23日 23時) (携帯から) (レス) id: c4afbacf0f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:彩月いろは | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/36b8bca33b1/
作成日時:2017年5月27日 17時