film34 切り替え ページ35
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氷浦は、壁についていた両手を離すと、慌ててA
から距離を取った。
｢ごめん……｣
｢大丈夫。気にしないで……｣
口元を腕で隠しながら、氷浦が気まずそうに謝ると、Aは顔を逸らしたまま、落ち着いた口調で答える。
けれど、二人とも言葉とは裏腹に、顔を赤くしたまま、伺うようにチラチラと互いを、見つめては、目が合うと、直ぐに顔を逸らすという、まるで新婚カップルのようなやり取りを繰り返している。
｢とりあえず部屋に入ろう｣
｢そ…そうね｣
意外に切り替えが早いのか、氷浦は一つ溜息を零すと、いつもと同じ調子で、座り込んでいるAの前に、手を差し伸べる。
(何だ……普通じゃん……)
照れて顔を逸らすでもなく、言葉が吃ることもなく、スラスラと言葉を発する氷浦を見上げ、Aは拍子抜けしながら、素直に彼の手を取った。
繋がれた右手に力を込めて、氷浦はぐいっと勢いよく、Aを立ち上がらせる。
｢わっ！｣
｢おっと。大丈夫か？｣
予想より力が強くて、足元が縺れ、ふらついたA
の腰を、氷浦は左手でしっかりと抱き、繋がれた
右手を自身の胸に寄せて、彼女を抱きとめた。
ぽすん。と、氷浦の銅板にすっぽりと収まった
Aの華奢な身体。
あれ？こんなに、体格差あったっけ？
と彼の胸の中で抱かれながら、ぼんやりと思う。
｢A？｣
｢大丈夫！ありがとう、きーちゃん｣
黙り込んだまま、胸の中で微動だにしないAに、
氷浦が首を傾げると、彼女は急に顔を上げると
スルりと氷浦の胸の中から抜け出した。
｢早く入ろ！みんなの事待たせちゃ悪いわ｣
｢ああ、そうだな｣
スカートの皺をパンパンと払い、
Aはいつもの凛々しい顔に切り替えると、
ドアノブをゆっくりと捻った。
｢｢すみません、お待たせしました｣｣
恐る恐るドアを開け、顔を少しだけ覗かせると、なんともいえない空気が更衣室中に広がっていた。
顔中に汗を浮かべる監督と、何故か地面に四つん這いになり、嘆いているお面の少年。
｢どうしたの？この空気…｣
｢何かあったのか？｣
額に指を当て、呆れた顔で首を振っている杏奈と、コミカルな表情で固まっている明日人に、二人は尋ねる。
なんでも、監督のムフフな画像ファイルを、お面の少年"李子文"が送ってしまい、間違えて機密情報にアクセスしてしまったのが原因なんだとか。
なんとも間抜けな真実に、Aは怒る気にもなれず、盛大な溜息を零すと、ジトリと監督を見つめる。
(見損ないましたよ、か･ん･と･く！？)
(そんな目で私を見ないで下さい、雪乃ちゃん…)
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シロナ(プロフ) - 愛音さん» リクエストありがとうございます！水神矢くんは、対王帝戦の前後で、雪乃ちゃんを精神的に支えます。絡みは、少し先のお話で予定しているので、お待ちいただければ幸いです！ (2019年3月20日 22時) (
レス) id: 02fecad83b (このIDを非表示/違反報告)
愛音(プロフ) - 水神矢成龍くんとの絡みをお願いします。 (2019年3月20日 21時) (レス) id: 95fbe585e8 (このIDを非表示/違反報告)
シロナ(プロフ) - あんさん» あんさん、リクエストありがとうございます。鬼道さんとは、星章対王帝の試合で沢山絡ませる予定です！せっかくの幼なじみ設定なので、日常での絡みも増やしたいと思っています(*´艸`) (2019年3月20日 11時) (レス) id: 02fecad83b (このIDを非表示/違反報告)
あん - 鬼道さんとの絡みをお願いします。(￣^￣ゞ (2019年3月20日 10時) (レス) id: 8ea3c89cfc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：sirona | 作成日時：2019年2月28日 20時
