Laundry【ars K.N】 (ページ18)

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コページ18

「そ...っか、そうだよね！カズはゲームしててもちゃんと相手してくれるもんね！」

変な間が開かないように、笑ってみせる。

「まぁ、ゲームしてたら相手出来ないコトもあるからそん時はさすがにやめるけどね？」
「え...？何、それ」

カズがニヤリとして、首だけを後ろに捻った。

「指先使わなきゃ出来ないコトよ」

ベェっと舌を出して、彼はまた前を向きスマホ画面に視線を戻す。

「...すけべー」
「何とでも言え」
「どすけべー」
「『指先使う』って言っただけでスケベって思うAの方がスケベですー」

ケケって楽しそうに笑ったカズの洗濯も終わったと、ブザーが教えた。

「お、出来た出来た」

立ち上がった彼が、自分の洗濯物をスーパーの袋に入れる。

口笛を吹きながら、ポイポイと。

ダルダルのＴシャツにスウェットパンツ。
髪だけはしっかりセットされてるけど、どこかだらしの無い雰囲気なのに...

どうしてこんな格好良く見えるの？

恋心フィルターは、本当に恐ろしい。
私はきっと、カズが着ぐるみを着てたって「格好良い！」って言っちゃうんだ。

たった今、失恋したっぽいのに。

彼女居るって、発覚しちゃったのに。

好きになっちゃう前に、どうして彼女の有無くらい確認しなかったんだろう。

だけど、どう？
もし確認してたとして。

私はカズに恋しなかったと思う？

カズの吹く、綺麗な口笛がランドリーに響く。

きっと、私はどうなったってカズに恋してたんだろうなって

その音色を聴いて、思う。

カズのコト、何も知らない。

なのに、こんなに好きになってしまってるんだもん。

きっと

きっと、私はどんな状況だったとしても彼に恋をしたんだ。
バカみたいに。

「さぁて、帰るか」
「あ、うん。...もしかして、家で彼女が待ってる？」
「え？」

カズがキョトンとする。

「待ってないけど」
「あ...そうなんだ」
「ってか、彼女自体居ないけど」
「...えっ！？だってさっき...！」
「オレ、彼女居るなんて言った？」

今度は私がキョトン。

「けど...怒られないって...」
「うん。そもそも怒る彼女が居ないもん」

あ...そーゆーコト！？

「え、じゃあ、彼女は？」
「居ないってば！何度も言わせんなよー」
「そうなんだ...」

うわー！復活！敗者復活！

ニヤニヤしそうな顔に力を入れて我慢。

「あ、でも」

ランドリーを出た所で

「彼女にしたい人は居る」

カズが、熱っぽく呟いて

私を見た。