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11話:優しくされたら2 ページ27

ベッドの軋む音がして、紅炎様が布団の中に入ってきたことが伺える。



広いベッドの上。


私は壁側の隅で紅炎様に背を向けて、小さく丸くなっていた。



先程から何故かドキドキと煩い心臓の音に戸惑っていると、紅炎様が話しかけてくる。




「おい。別にとって食おうってわけじゃないんだ。こっちに来たらどうだ」


「むむむむっ、無理です!………お構いなく、紅炎様」


一人で勝手に取り乱している私は、何故か変な喋り方になってしまう。

どうやら、返事をするのも精一杯らしい。


そんな私の姿を見てフッと紅炎様が鼻で笑う。



「変な奴だ」



その呟きに、ついついムキになって言い返してしまう。


「へ、変な奴とはなんですか!!」


「寒い場所が好きなのだろう?」


「何言ってるんです、暖かい場所の方がいいに決まっているじゃないですか!」


「だったら、こっちに来い」


「い、嫌です!」



強く答えると、背中越しにため息が聞こえてくる。


「お前はとことん分からん奴だ」


「わからないって、何がです?」


「暖かい場所を求めているにしては、先ほどから寒い場所ばかりを選ぶ」


「…え?」



寒い場所………



ソファーの上のことかな?


もしかして、今のも寒いだろうからベッドの真ん中に来いってことだったの?




一人でそんなことを考えていると、不意にベッドが揺れる感覚がした。


すぐ後ろに何かを感じて振り向くと、紅炎が私の方へ寄っていた。




「えっ!?ちょっと、紅炎様!?」


「お前が動かないから、代わりに動いてやったんだ」


「いいですよ、そんなの!!私なら…」


「布団に隙間ができて俺が寒い。これくらい我慢しろ。牢獄より遥かにマシだろう?」



そう言って、涼しげな顔で目を瞑っている。



その言葉に何も言えず、私は黙り込んだ。



仕方なく、大人しく顔を壁に戻して紅炎様の眠りを妨げないように務める。

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設定タグ:マギ , 煌帝国 , 練紅炎   
作品ジャンル:アニメ
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ミヅキ(プロフ) - 凰朧月鬼華さん» 読んで下さりありがとうございます(≧∀≦)♪ (2016年7月4日 21時) (レス) id: f8d14255d8 (このIDを非表示/違反報告)
凰朧月鬼華(プロフ) - (´つヮ⊂)ウオォォwwww (2016年6月27日 15時) (レス) id: 6873cb50aa (このIDを非表示/違反報告)
ミヅキ(プロフ) - Rainyんぼ(*’▽’)さん» お返事遅くなって申し訳ないです!そう言って頂けて光栄です♪ノロノロ更新ですが、よろしくお願いします(*^^*) (2016年6月23日 21時) (レス) id: 7de071f674 (このIDを非表示/違反報告)
Rainyんぼ(*’▽’) - はまりました。更新楽しみにしています! (2016年6月21日 20時) (レス) id: 7bd6c0a158 (このIDを非表示/違反報告)
ミヅキ(プロフ) - 名無しの猫さん» 嬉しいです(∩´∀`∩)キャー♪ありがとうございます! (2014年8月5日 16時) (レス) id: c07fa541ba (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ミヅキ | 作成日時:2014年6月1日 11時

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