6日目_6 ページ37
「ねぇ、君って...」
そう声をかけると彼女はふと顔をあげた。
間違い無かった、十四松兄さんの...。
「あっ...お久しぶり、です？」
「あは、まだ数日しか経ってないけどね」
僕はさっさと本題に入ろうと思い、手を叩いた。
後ろではAがこの様子らを見ている...声は小さくして、誤解を生むようなことは極力避けよう。
...カレカノって誤解されて、すごく悲しくなったよ。
...僕は、僕は、
君のことが、ずっと前から
_好きだったのに。
好きだったのに。
守れなかった。それどころか、傷付けもした。
だから、心優しい十四松兄さんに取られたとしても仕方が無いだろう。
けど...
僕はずっとずっと前から好きだったんだ。
だから...歯がゆいんだよ。
残り僅かな時間を、少しでも長く、一緒にいたいよ...!!
「...十四松兄さんにはもう会ったんでしょ？
帰ったって聞いたけど...どうして？」
「...十四松くん、きっと他に好きな人がいる」
その言葉に僕は固まった。その事に気づかずに彼女は続ける。
「きっと、今更私が出てきたって...迷惑だから」
...待ってよ
そんなの...
「...本当にそれでいいの？？」
「えっ？」
ほろりと無意識に口から出た言葉。
彼女は目を見開いた。
「えっ、どう、言う事？」
「そう簡単に諦めていいの？」
すると彼女は俯き、ゴシゴシと目頭を拭った。
...ああ、彼女は彼女なりに悩んでいるのか。
「迷惑...かけたくないよ」
「自分の気持ちはちゃんと伝えないと...!!また同じ事の繰り返しになるよ...？
会って、きちんとお話しようよ？」
彼女の肩をつかみ、説得するように揺らす。
俯いている彼女の表情はわからない。
人の心なんてわからない。
...そして僕は汚い思いにたどり着いた。
_そのまま、十四松兄さんと付き合ってよ。
そしたらAちゃんは_
すると彼女は何かに憑かれたようにひたすら横に首を振りながら僕を突き飛ばした。
「私は...ｯ!!そんな事したくない!!
好きな人の幸せを願うのは当たり前でしょう!?」
...ああ、この心は綺麗過ぎて見ていられないよ。
走り去る彼女を見ながらそう思った。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 643人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「アニメ」関連の作品
【名探偵コナン】知らないうちに好かれていたらしい。
朱に捕らわれば赤くなる ６【赤司征十郎】
捜査一課の黒羽さん 警察学校編 -Wild Police Story-【名探偵コナン】
この作品が参加のイベント ( イベント作成 )
この作品が参加のイベント 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ギル(プロフ) - 続編がああああああああぁぁぁ(´；ω；｀) (2021年10月27日 3時) (
レス) @page50 id: 8a5fdb90b0 (このIDを非表示/違反報告)
50音P - 続編、、、、 (2019年1月17日 17時) (レス) id: dfac6954d1 (このIDを非表示/違反報告)
ぎんまつ(プロフ) - 続編んんんんんんん！！！ (2017年6月23日 6時) (レス) id: 6274d6d5a0 (このIDを非表示/違反報告)
日野 - 読ませていただいています、指摘すみません。 １日目6のトド松の台詞がパソコンになっていますので、修正お願いしたいです。 (2016年12月29日 12時) (レス) id: e1b4cd68cc (このIDを非表示/違反報告)
AOHA - 続きが、気になります！更新ファイトです！ (2016年8月17日 0時) (レス) id: aedf60c910 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：鈴鶴＠メガネ＝本体
| 作成日時：2016年3月7日 21時
