・3話 関わらないで。 ページ5
〜主side〜
2年A組。
このクラスは、私を入れて31人。
数的に隣のいない私は、1人だけでっぱった窓側の一番後ろの席になった。
ほぼ孤立状態のこの席は、放っておいても話かけてくるのは彼だけだろう。
それもきっと、初めのうちだけ。
始めから社交辞令程度にしか挨拶はしていないし、そもそも、前髪で顔のほとんどが隠れているような暗い子に、好んで話しかける人なんていないと思う。
もともとは、そんなに暗い方ではない。
けれど、人と関わらないための対策にと、少し前から前髪を伸ばしていた。
印象が悪ければ、話しかけて来ないだろうと思ってたから。
なのに・・・
黄「Aちゃん、前髪上げないんスか?目、悪くなるッスよ〜?」
例外がいた・・・
綺麗な顔をした人当たりの良さそうな彼は、授業中だろうとお構いなしに、後ろを向いて話しかけてくる。
あーもう、構わないでよっ!!
口に出そうとしたちょうどその時、キーンコーンと、授業終了の鐘が鳴った。
あの金髪ヤロー、覚えとけよ・・・
さっきから人が言わずに我慢しながら脳内ナレーションしてるっていうのに、いい加減うるっさい!!
お前のことで頭一杯で、授業にも集中できなかったわっ!!
今の今まで、何回話しかけられたことか・・・
主「ねぇ黄瀬くん、授業中は後ろ、向いちゃダメだよ・・・?」
頭の中のをそのまま言うのはなんなので、とりあえず黄瀬くんの服の裾を引っ張りながら、声をかけた。
私の中の、最大限優しくした言い方で。
『ん〜』と首をかしげた黄瀬くんは、
黄「じゃ、休み時間にいっぱい話すことにするッス!」
と、目を輝かせて笑いながら言った。
主「・・・へ?」
思わず、間の抜けた声がでる。
ポカンとしている私とは裏腹に、ニッコニコの笑みを浮かべている黄瀬くん。
なんでそうなるのっ!?
狙いとは全く違う答えに、頭がついていかない。
だって私、今すっごく暗い子だよ?
前髪で顔隠れてるし、しゃべり方とかおどおどだよ?
黄瀬くんは、『ん?』と私に笑いかけた。
確かになんでこんなに構ってくるかは不思議だけど、
てゆーか、それよりも・・・
私の転校するに向けての努力を返せぇぇぇぇぇええ!!!
『クラスで話しかけにくい子』を研究し、追求したのがバカらしくなりました。
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紀良(プロフ) - 薺乃さん» 返信遅くなってすみません!コメントありがとうございます!!初めは虹村さんオチ予定だったんですが、きーちゃんにのっとられました・・・← (2015年8月30日 21時) (レス) id: 4dd9c8676b (このIDを非表示/違反報告)
紀良(プロフ) - ミサさん» 返信遅くなってすみません!ありがとうございます!!これを先生に提出したかと思うと・・・打ち込んでて恥ずかしさしか残りませんでした。← (2015年8月30日 21時) (レス) id: 4dd9c8676b (このIDを非表示/違反報告)
紀良(プロフ) - 羽さん» あざます! (2015年8月30日 21時) (レス) id: 4dd9c8676b (このIDを非表示/違反報告)
薺乃(プロフ) - 面白いです!黄瀬ファンとして楽しみです♪ (2015年8月3日 15時) (レス) id: a1732eca98 (このIDを非表示/違反報告)
ミサ - 黄瀬ええええええイケメンンンンン!!!黄瀬すごく格好いいです!更新頑張ってくださいっ (2015年8月3日 0時) (レス) id: dc1f9ddd08 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:紀良 | 作者ホームページ:
作成日時:2015年6月18日 22時