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02.母の最期 ページ2

「A、エレン達と遊ばないの?」


母が私に微笑む。
その笑みは優しく、癒される。


私の父は幼い頃、不治の病が原因でこの世を去った。母は私を1人で育ててくれた。


「ううん、今日はいいや。」

「…そう。」


食材を刻む音が静かな家に響き、私はゆっくりと窓の外に視線を変えた。


あぁ、もう少ししたら調査兵団の方々が壁外調査から帰ってくる時間だ。


調査兵団…そう言えばエレンが憧れていたな。
周りからは反対されると思う。


でもエレンはそんな事で直ぐに諦めるような男じゃない…絶対に。


くすり、と笑いながら私は母の鼻歌に耳を澄まし、目を閉じた。


その時、地響きの様な大きな音が鳴った。
私と母は状況が読み込めないばかりか、パニック状態になる。


「なに、なにが起きてるの。」


窓の外を見れば大きな石の様な物が次々に飛んでくる。周りの家はどんどん潰されて行き、泣き叫ぶ人…我先にと逃げる人。


私は目の当たりにした。
初めて見る巨人の姿を______。


その大きさに圧倒されていた私は気付かなかった。
私の家に迫る巨人の姿に…。


突然家を踏み潰されたと思えば巨人と見られる物がこちらをにたり、と笑いながら視線を移してくる。


私の人生…ここまでだったのか。
巨人の手が近付いて来た途端…私は運命に身を任せ…目を閉じた。


…筈だった。
巨人に掴まれる寸前、母が私を突き飛ばし…


私を守る為に…私のせいで…
巨人の手に掴まれてしまった。


「……お母さんっ。嫌だよ…っ。」


私の叫びには目もくれず…巨人は母を…
一口で口へ運んだ。


空へ舞う鮮血。
最後に私の大好きな微笑みを見せた母は…


もう…居ない。

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レミドール - とても良い作品です。更新頑張ってください! (2017年5月17日 16時) (レス) id: 0420b2a226 (このIDを非表示/違反報告)
久威ナズナ(プロフ) - とてもいいと思います!頑張ってください!続き楽しみにしてます!(●´ω`●) (2017年5月5日 0時) (レス) id: a183fca2d8 (このIDを非表示/違反報告)
オタク少女ぴーちゃん - 最高なう! (2017年4月18日 21時) (レス) id: 24bfd7098a (このIDを非表示/違反報告)
進撃のうさぎ。(プロフ) - タマミツネさん» ありがとうございます!更新頑張ります。 (2017年4月6日 19時) (レス) id: 5f18ff9090 (このIDを非表示/違反報告)
タマミツネ - こんな作品みたいなと思っていたんです。(・∀・)b更新がんばってください!! (2017年4月6日 18時) (レス) id: a11b5a1c08 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:進撃のうさぎ。 | 作成日時:2017年3月27日 19時

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