捌話 ページ9
捌話
「ここが〜〜で、あそこが〜〜なんだ！」
ひなたくんとゆうたくんを連れて、家の中を案内する。
ひなた「本当に広いね…」
ゆうた「迷子になりそう…」
休憩がてら、縁側に座っていると2人が呟いた。
歩きすぎたのか、2人の顔はぐったりとしていた。
そのわりには、きょろきょろと辺りを見回して物珍しげにしていたから嫌というわけではないのだろう。
「徐々に慣れていけばいいよ。それじゃ、2人の部屋に案「紗凪ーー‼︎」…ぐへっ」
2人の部屋に案内すると言いかけて、背中に誰かが体当たりして来た。
まぁ、大体誰かは予想できるんだけど。
「レオ〜、いい加減体当たりしてくるのやめない？痛い」
レオ「わははははっ☆悪い悪い！」
目の前の悪びれもせず、笑っているこの人は私の幼なじみの月永レオ。
レオ「というか、紗凪。こいつら誰だ？」
ひなたくんとゆうたくんの顔まじまじと見ながらレオが聞いてくる。
2人は…ああ、明らかに警戒してる。
「2人とも、この人は私のうるさい幼なじみの月永レオ。うるさいし刀を持ってるけど、無闇に使ったりしないから安心してね。うるさいけど」
レオ「お前何回うるさいって言うんだ？」
「で、この2人は葵ひなたくんと葵ゆうたくん。双子で…」
妖狐なんだ。
と言おうとしてやめた。
それを伝えるのは2人がレオのことを信用出来るようになってからがいいよね。
レオ「お前ら双子なのかー！てっきり、分身でもしてるかと思ったぞ！…はっ！紗凪、俺用事思い出したから行くな！じゃーなー！」
台風が去っていったような静けさが私たちを包む。
「ね、うるさいでしょ」
ゆうた「否定できないのが悲しい」
ひなた「でも面白い人だったね！」
おっ、レオとひなたくんは相性が良さそうだな。
今度また会わせてみよう。
「気を取り直して！部屋に案内するね！」
終わり
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作者名：ミル&海梅 x他1人 | 作成日時：2016年2月20日 15時
