１２話 ページ12
飛行機の振動によって荷崩れが起きないようにしっかり固定されているはずなのに、なぜかその木箱だけガタガタと揺れている＿＿＿。
近づいて木箱を固定するベルトを見てみると、五本全てのベルトが外されていた。
赤井は外れたベルトをつかんで何やら考え込むと、複雑な表情を浮かべた。
するとそのとき＿＿＿機首の方からドオォォン！と爆音が響いた。
吹き飛ばされた扉が機体に当たって跳ね、主翼のジェットエンジンに吸い込まれてさらに爆発が起きる。
爆音と共に機内が大きく揺れて、客室の天井から酸素マスクが飛び出した。
｢何じゃあ!?｣
｢きゃあっ!!｣
機内がガタガタと何度も激しく揺れ、通路に立っていた久美子は床に倒れた。
なつみは悲鳴を上げながら頭を抱え、その横で圭子が前の座席に手をかけて必死で耐える。
園子の手から受話器が離れ、傾いた機内に転がっていった。
蘭/A｢園子!?大丈夫？園子!!｣
携帯電話の向こうから悲鳴と爆音が聞こえてきて、Aと蘭は慌てて呼びかけた。
その横で昴も携帯電話に耳を近づけ、二人の声に気付いた小五郎が走り寄ってきた。
小五郎｢どうした!?A、蘭。｣
『それが、悲鳴が聞こえた直後ものすごい音がして…。』
小五郎｢何だと!?中森警部っ！来てくれ!!｣
駆け寄ってきた中森に、小五郎が｢どうやら飛行機で何かあったらしい。｣と説明する。
昴とコナンは目を合わせて窓を振り返ってガラスに手を付き、険しい表情で空を見つめた。
昴/コナン(まさか…キッドが…!?)
プライベートジェットのコックピットでは警告音が鳴り響き、酸素マスクをつけた副操縦士がパネルに付いたスイッチを次々と押していった。
｢やはりダメです。右翼エルロン及びスラット、第四エンジン共に反応戻りません！｣
頭上のパネルを操作していた機長がその手を止め、酸素マスクをかぶる。
｢もういい。ただちに第四エンジン停止。消化にかかれ！｣
｢はい！｣
｢これより操縦は私が行う。｣
機長は操縦桿をつかみながらモニターを見た。
傾いた機体を戻すために操縦桿を回そうとするが、重くて動かない。
｢くそぉ…言うことを聞け…っ!!｣
機長は渾身の力を振り絞り、操縦桿を回した。
扉が吹き飛んだ貨物室は、与圧された空気が一気に流れ出し、強烈な風が吹き抜けていた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 101人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ユリ(プロフ) - 続き気になります。更新頑張ってください (2022年4月30日 8時) (
レス) id: 7b9ba0e34a (このIDを非表示/違反報告)
のぞみ(プロフ) - 赤井さんの想い人シリーズ全て読ませて頂きました！完結してないもの、全て今後の展開が気になります！もう更新はされないんですか？もしよかったら、更新してください！楽しみにしています！！ (2020年4月7日 6時) (レス) id: 80032df402 (このIDを非表示/違反報告)
せいな(プロフ) - 続きが見たいです！もう更新はされないんですか？もしよかったら更新してください！とても続きが気になります！どうかよろしくお願いします！ (2020年4月3日 16時) (レス) id: 02fe39b432 (このIDを非表示/違反報告)
松田聖子松田聖子(プロフ) - メチャクチャ続き楽しみです (2018年7月23日 13時) (レス) id: f13688097c (このIDを非表示/違反報告)
美香 - 初めまして！続き頑張って下さい！仲良し２人笑 (2018年7月22日 6時) (レス) id: 56b9cb16b3 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：Sorimachi
| 作成日時：2018年7月15日 21時
