ずっと前から知っていました ページ13
中庭から離れた渡り廊下に二つの影。
黄瀬君と私だった。
「Aっち。オレと付き合ってください。青峰っちなんか止めて、オレを見てください」
「……」
真剣な顔をした黄瀬君にポカンと口を開けたあと、クスリと笑ってしまった。涙はもう出ない。
真面目に言っていたのか、黄瀬君は「あ、ちょ、笑うなんて酷いっス!これでも真剣なんスよ!」と怒る。
だけど、
「黄瀬君。私、青峰君が好きなわけじゃないよ?」
「え……え?」
「恥ずかしいんだけど……私、里帆がいないと何もできないからさ、青峰君に取られちゃったらって思って不安だっただけ」
笑わずにはいられなかった。
そんな私の身勝手な嫉妬で勘違いを起こした黄瀬君に。
「っでも、ほんとに好きなんスよ」
「知ってたよ」
「ずっと前から、知ってたよ」
キミが私に執着していることぐらい、見ればすぐに。
ごめんね、知らない振りしてて。
好意を無視してて。
「でもさ、私、無理なんだ」
黄瀬君と付き合うのは、無理なんだ。
私は、陽斗のためにも帰らないといけないの。
ここでぐずぐずしていたくないの。
それにね、
「私、里帆を独りにできない」
「でも、井町っちも青峰っちが好きなんじゃ……」
「好きだよ。それも知ってたよ。だけどね、」
__里帆は、私を独りにはさせないから。
そう言った私の口に薄く笑みが浮かぶ。
黄瀬君は驚いたようにこちらを見、「なんで?」と聞く。
「私達は、一緒なの」
560人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「黒子のバスケ」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
みずあいす - 翔ちゃんLove!さん» おおおおお。なんか最近誤字が多いです。頑張ります。応援よろしくお願いします! (2016年10月20日 20時) (レス) id: 94c5760bdb (このIDを非表示/違反報告)
翔ちゃんLove!(プロフ) - 次回予告の体育祭の字が、“再”になってますよ!このシリーズ大好きです!ゆっくりで良いので、更新頑張ってください! (2016年10月20日 19時) (レス) id: 00dbec14b0 (このIDを非表示/違反報告)
みずあいす - ‡setokano★黄瀬灰崎愛し隊No.0‡さん» ありがとうございます! (2016年10月20日 17時) (レス) id: 94c5760bdb (このIDを非表示/違反報告)
‡setokano★黄瀬灰崎愛し隊No.0‡(プロフ) - “やんか気づいちまった” 誤字ありました! (2016年10月19日 18時) (携帯から) (レス) id: 20e66ae414 (このIDを非表示/違反報告)
みずあいす - セイさん» この作品が一番好きですか!ありがとうございます!意外です。これは私が占ツクに戻ってきて(一時期離れてた)一番始めに書いたので、特別です。少し独占欲の高い夢主となっております。 (2016年10月19日 17時) (レス) id: 94c5760bdb (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:みずあいす | 作成日時:2016年4月16日 13時