Story...30 ページ32
.
[赤司side]
「なに、それ……」
「…今でもたまに幼い頃のAが夢に出てくる」
と男は言った。
俺は黙って聞く。
俺は別にこの家庭を壊したい訳じゃない。
一番いいのはAに謝罪してほしい。
「Aもそうです。夢の中で、貴方が其処の方と肉体的にも一緒になるところを何度も見て、母親が亡くなる瞬間を何度も見て、毎晩悪夢に魘されています」
と出された茶に漸く手を付ける。
一口口に含むと置いた。
「今は何も解決策はありません。精神安定剤や睡眠薬をいくら飲んでも効果はありません。今は寝るとき寝室に俺しか開けられない鍵を取り付け、閉じ込めている状態です」
と言って男を見る。
男は目を逸らした。
そうやってAからも逃げたのだろう。
「今となれば大分対応にも慣れましたが、最初の頃は互いに手探りの状態で、階段から突き落とされ入院したこともあります。あの時ばかりは流石に驚きました」
「…大丈夫なのか?赤司さんは」
「……俺の心配ですか?俺は大丈夫ですよ。俺よりもAの方が余程辛い。いや俺もAから離婚話を切り出された時は辛かったですけれど」
と言うと咳払いをして話の脱線を正す。
A自慢しかないのか、俺は。
自分の妻を自慢して何が悪い。
自分の妻なんだから自慢しても良いではないか。
「Aの為にも一度だけでも会っていただきたい。彼女の言葉を全て受け止められる覚悟が出来たら、御連絡下さい。俺が場所を設けます。御願いします。彼女から逃げないで下さい」
と再び深く頭を下げた。
.
165人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「黒子のバスケ」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
和恋 - いえいえ!はい! (2016年6月22日 18時) (レス) id: 1f2c06e01c (このIDを非表示/違反報告)
木戸藍楽(プロフ) - 和恋さん» コメント返信ありがとうございます!!はい!頑張ります! (2016年6月21日 0時) (レス) id: 3693b8335e (このIDを非表示/違反報告)
和恋 - いえいえ!はい!はい、私もそう思います!いえいえ!続き頑張ってください。応援しています! (2016年6月19日 12時) (レス) id: 1f2c06e01c (このIDを非表示/違反報告)
木戸藍楽(プロフ) - 和恋さん» 初めまして、ありがとうございます!頑張ります!この二人なら乗り越えられると思います(笑)コメント本当にありがとうございました! (2016年6月19日 12時) (レス) id: 3693b8335e (このIDを非表示/違反報告)
和恋 - 初めまして、続き頑張ってください。征君と夢主ちゃん、凄いです! (2016年6月19日 12時) (レス) id: 1f2c06e01c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:木戸藍楽 | 作成日時:2016年6月1日 0時